沖縄の風習に欠かせない南国ハーブ『ゲットウ』

温暖化の影響か、昨今の気象状況の変化で、夏の暑さは厳しさを増し、庭作りも対策を講じる必要に迫られています。当社のハーブガーデンでも、夏の高温にも耐えられる南国の植物を植えて、生育状況を見ているところです。

生育中のゲットウ

生育中のゲットウ

今年何株か植え始めているのがゲットウ(月桃)です。春に出回る苗を購入して育てています。明るい木陰で管理し、購入時の10号ポットのまま夏を無事に越しました。8月後半に大きな鉢に植え替え、気持ちよさそうに葉を広げています。今までは茨城県のこの地では露地で冬を越すことはできなかったのですが、今年冬越しに挑戦してみようと思っています。

ゲットウの学名はAlpinia zerumbetといい、 属名のAlpiniaはイタリアヴェネチアの医師、植物学者プロスペロアルピーニの名前にちなんでつけられています。種小名のzerumbet は「ハナショウガ」の意味です。
高さは2〜3mにもなる半耐寒性常緑多年草で、最低気温が3〜5℃以上の場所が適地です。地下茎を伸ばして5〜6月頃に穂状の花序をつけ赤い斑点の入る白い花を咲かせます。初秋には赤茶色の果実がなります。葉は香りがよく、菓子の香りづけや蒸し料理、ティーなどに幅広く利用されています。

ハーブガーデンにある、ゲットウと同じショウガ科の植物の葉を並べてみました。左からゲットウ、ミョウガ、ショウガ、ウコンです。ショウガとウコンはとても似ています。大きさが同じであればほぼわからないくらいです。香りが少し違いました。ミョウガは細いですし葉のつき方も違います。匂いもします。ゲットウの葉は照りやハリがあり、ほんのり甘い香りがします。

ゲットウの葉

左からゲットウ、ミョウガ、ショウガ、ウコン

ゲットウの由来は、台湾での呼び方「ゲイタオウ」に当て字をしたと言われています。初夏に咲く花の蕾が、月光に照らされるとモモの果実に見えるからという説もあります。

沖縄では自生するものをサンニン、サニ、サネンなどと呼び、「神秘の命薬(ぬちぐすい)」とも言われ大切にされてきたそうです。沖縄では、旧暦の12月8日はゲットウの葉に包んで蒸した餅「鬼餅(ムーチー)」を食べる日です。これを食べて厄を払い、健康を祈願する風習があるのだそうです。

ゲットウには、鎮静、抗酸化、抗アレルギー、去痰、抗菌、抗炎症、美白、防虫、収斂、抗不安、血圧降下、血行促進などの多様な作用があります。精油成分のα-ピネンやリモネン等の作用によりリラックス効果があり、疲労回復や不眠の改善にも役立つことが期待されます。ここでご紹介する、ピローやハーブティーをぜひお試しください。

ゲットウの葉

葉を乾燥したものは、細かく切ってポプリやティーに利用できる

ゲットウの楽しみ方

ゲットウのスリーピングピロー

<材料>
乾燥したゲットウ
乾燥したラベンダー、マコモなど
お茶パック
布袋(手作りでも、市販の巾着などでも)

ゲットウとラベンダー

<作り方>
乾燥させたゲットウの葉を小さくカットします。あれば一緒に乾燥したマコモやラベンダーもブレンドして、お茶パックに入れてから布袋に入れて完成です。
枕の脇や下に置くと、リラックス効果でよく眠れるとされています。また、これを衣類ダンスに入れて防虫、防カビ剤として利用することもできます。

ゲットウ茶(サンニン茶)

ゲットウ茶

<作り方>
温かくして飲む場合:乾燥させた葉を適当な大きさにカットします。小さじ1~2杯を急須に入れて熱湯を注ぎ2〜3分蒸らしてからお召し上がりください。
冷たくして飲む場合:夏場はお茶パックなどに入れたゲットウを1リットルのお湯に入れ抽出し、パックを取り出すか別容器に入れ替えて冷ましてから冷蔵庫で冷やし、アイスティーとして楽しむことができます。

いずれも、初めて飲む場合は薄めに入れたものを試すのがおすすめです。単品で飲んでもいいですが、他のハーブティーやお茶などとブレンドして楽しむこともお試しください。夏のお気に入りを見つけていただければと願っています。

 

参考文献

「ハーブのすべてがわかる事典」ナツメ社
「芳香蒸留水の本」川西加恵著 株式会社BAB JAPAN
「日本のハーブ事典」村上志緒編 東京堂出版

ブログ著

鈴木さちよ

  • インスタグラムでもハーブ、庭作り、身近な植物などについて発信しています
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ハーブ事典でもこのハーブをご紹介しています

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