清々しい香りで邪気を払う『バルサムモミ』

約40種類ほどあるモミ属は、背の高い常緑の針葉樹で、学名のAbies balsameaは「高く伸びる」を意味するラテン語のabireに由来します。

ハーブガーデンのモミの木

ハーブガーデンのモミの木

バルサムモミは芳香のある針状葉と、紫色がかった香り高い球果と、樹脂の豊かな樹皮をつけます。樹皮の切れ込みなどから採取された液状の樹脂は、ギレアドバルサム、カナダテレビン油、昨今ではカナダバルサムなど、さまざまな呼び名で知られています。

モミの樹皮から出る樹脂

モミの樹皮から出る樹脂

バルサムモミの木材は耐久性があるため、家屋の建築や造船に使われてきました。また、昔から安息香チンキにも配合され、咽喉炎などの時にうがい薬として利用されてきました。樹脂はカタル治療の治療薬、関節炎や切り傷や打撲傷のパップに用いられました。また、顕微鏡用標本をスライドに固定するときや、上質のラッカー剤(塗料の一種)を作る時に利用されていたそうです。

ゴム質の樹液はガムとして噛むこともあったようです。樹脂を含んでいる針状葉、球果、冬芽はポプリに加えても香りよく好まれます。
芽と葉を蒸留した針状葉油は去痰・殺菌作用があり、咳止めドロップ、喘息の吸引薬、松の香りのする洗面用品の香料に用います。

バルサムモミの楽しみ方

バルサムモミの芳香浴

モミの枝先の葉を大きめのマグカップに入れ、上から熱湯を注ぎます。立ち上がる湯気をゆっくり吸い込むように呼吸することで芳香浴をすることができます。

モミの蒸気には殺菌作用があり、深呼吸することにより喉や肺まで潤してくれるでしょう。熱湯を利用するので火傷には十分気をつけてください。
エッセンシャルオイルを用いる場合はバルサムモミを利用しますが、モミ類の生葉で同じように芳香浴が楽しめます。

芳香浴に利用したお湯が冷めたものをお掃除などに利用して残った香りを楽しむことも可能です(その場合はすぐに使いきるようにしましょう)。

装飾(美しい飾り)

モミ類の枝葉は生のままの葉や果実を粗塩やスパイスとミックスして飾るモイストポプリやドライにした葉や果実をバラの花やハーブやスパイスと飾るポプリに利用します。

また、リースの土台として、スワッグやアレンジメントの花材として利用します。モミのスワッグ(クリスマス飾り)

モミの木を切り倒したものや鉢植えのものを家の中にセッティングしてデコレーションしクリスマスツリーとして飾ります。

殺菌作用のある爽やかな香りと針のように尖った葉は悪霊や邪気を祓うとされ、家のドアに飾ることで災難を防ぐ呪い(まじない)としての意味合いもあるようです。

モミのスワッグ

2023年も最後の月となりました、ハーブの香りを利用して風邪予防や血流促進をして体をいたわり、年末の慌しい時期を乗り越えましょう。今年も一年ありがとうございました。

 

参考文献

「ハーブの写真図鑑」日本ヴォーグ社
「ケモタイプ精油小事典」NARDJAPAN

ブログ著

鈴木さちよ

ブログ監修

管理栄養士 坂本禮子

 

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