縄文の昔から日本人の暮らしを支える『クリ』

実は鈴木ハーブ研究所のハーブガーデンは以前、クリの畑でした。茨城県は笠間市のクリが全国的にも有名ですが、ここ東海村も以前はあちこちに栗畑がありました。私も幼少期、祖父母の手伝いで出荷作業も手伝ったりしていました。クリの実を食べるのも大好きですが、その存在もなんだか好きでうちの食器棚はクリ材でできたものを選んだほどです。

クリ

筆者自宅のクリ材の家具

筆者自宅のクリ材の家具

クリの学名はCastanea crenata、別名シバグリ、生薬名は部位によって栗子(りっし、種仁)・栗毛毬(りつもうきゅう、イガを乾燥させたもの)・栗葉(りつよう、葉を乾燥させたもの)といいます。
ブナ科クリ属で日本全域に自生しており、15~20mになる雌雄同株の落葉高木。6月頃〜黄白色の沢山の雄花が穂状に咲き、雌花はその下の方に数個咲く。花には独特の匂いがあり、この花の匂いがすると夏が来たなあと思います。秋にトゲ状の毬の中に1〜3個の堅果を有し、これが熟すと毬が裂けて実が現れます。

クリの実

クリの実

クリは最も古くから日本人の暮らしに結びついている植物といえます。縄文時代後期に大陸からイネが入ってくるまで、クリの仲間は日本人の主な食料源の一つだったようです。三内丸山遺跡からもクリの花粉が大量に検出されています。第二次世界大戦後までは、クリは救荒植物としての地位を確保していました。そのため伐採を禁じていたところも多かったようです。お正月のお節料理にも「栗きんとん」を入れますが、これは「きんとん」は漢字で「金団」と書き、鮮やかな黄金色も金銀財宝を連想させるため「今年も豊かに暮らせますように」という願いを込めて食べる縁起物になったといわれています。

クリの木材は硬く湿気に強く腐りにくいことから、線路の枕木、橋、舟材、建築、家具などに利用されています。樹皮はタンニンを多く含み、染料やなめし皮に用いられます。

薬用としては、葉、イガ、樹皮をかぶれ、火傷、湿疹などに用います。水で煎じ、よく冷ましてから患部を洗うか、布に浸して湿布をします。山で漆にかぶれた場合は、クリの葉を揉んで汁を患部につけると効果があるといわれています。口内炎や喉の痛み、腫れには煎じ液でうがいをします。中国では、クリの実は生命力を補い筋肉や骨を丈夫にする作用があるといわれているそうです。

クリの葉、イガ、樹皮は薬用になる

クリの葉、イガ、樹皮は薬用になる

10月初旬の今、あちこちの道の駅などでクリが出回っています。生命力がギュッと詰まったピカピカ光るクリの実を手に入れて、栗ごはん、栗きんとんや栗の渋皮煮、栗ペーストなど手作りして楽しんでみてはいかがでしょうか。

クリの楽しみ方

くりきんとん

栗きんとん

※イメージです。このレシピではリンゴが入ります

<材料>
栗甘露煮  15個
(甘露煮の材料:クリ 1kg、砂糖 350g、水 600g、塩 少々)
※栗甘露煮の瓶詰めなどを利用してもよい
サツマイモ  500g
A (甘露煮シロップ 大さじ4、みりん 60cc、砂糖 60g、塩 適量)
リンゴ   300g
砂糖    150g
シナモンパウダー 適量

<作り方>
①生のクリの鬼皮をむき、水に浸して軽く汚れをとったら、渋皮が残らないように厚めにむきます。
②鍋にクリがしっかり浸かるくらいの水を入れて火にかけ、沸騰したら弱火にして10分茹でます。
③クリが1〜2段で並べられる鍋を選び、クリ以外の甘露煮の材料を入れて弱火にかけ、砂糖が溶けるまでかき混ぜ一度火を止めます。
④鍋にクリをひとつずつ並べ入れ、中央に穴を開けたクッキングシートで落とし蓋をして再び火にかけ、煮たったら竹串がスッと通るくらいまで弱火で15分程煮ます。火を止め、そのまま冷まします。
(市販の甘露煮を利用する場合はここまで省略)
⑤サツマイモは2cm厚さの輪切りにし、皮の内側の輪の部分まで厚くむき、水にさらします。
⑥鍋にサツマイモとたっぷりの水を入れて中火にかけ、やわらかくなるまで茹でます。サツマイモを取り出し、熱いうちに裏ごししたら鍋に入れ、Aを加えて弱火にかけて練り混ぜます。
⑦リンゴはお好みの薄さで切り、砂糖で焦がさないように煮てシナモンパウダーを振り入れておきます。
⑧サツマイモを木べらでこすって鍋底が見えるくらいまでのかたさまで練り上げたら、栗甘露煮とリンゴを加えて混ぜ火を止めます。
⑨バットに広げてうちわであおぎ、手早く冷まして照りを出します。

クリやサツマイモを煮るときにクチナシの実を入れると鮮やかな黄色になります。リンゴが入るとお子さんでも食べやすくなります。私の母のオリジナルのレシピです。

クリを飾る

カボチャやトウガラシと一緒にクリを飾ってもかわいいです

 

参考文献

「日本のハーブ事典」村上志保著 東京堂出版
「自分で採れる薬になる植物図鑑」柏書房
「里山食堂が教える果樹の収穫・保存・料理」西東社

ブログ著

鈴木さちよ

  • インスタグラムでもハーブ、庭作り、身近な植物などについて発信しています
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