白い花を咲かせる庭先の薬草『ユキノシタ』
ユキノシタ(雪の下)は湿った土地や岩場、沢などに生育する半常緑の多年草で、北海道を除く日本全域に自生しています。イドクサ、ミミダレグサ、イワタケ、イワブキの別名もあります。

ユキノシタの葉は、丸みを帯びたハート形で、葉脈に沿って白い班があるのが特徴です。5〜7月頃に赤い花茎が上部に伸びてきて、その先にたくさんの特徴的な白い花をつけます。花弁が5枚あり、上の3弁は小さく、下の2枚は上の花弁の4~5倍の長さがあります。その白花の姿を雪に見立て、その下に緑の葉がみえるので「雪の下」と名付けられたともいわれます。名前の由来としてはそのほかに、冬に雪の下で枯れずに残っているからという説や、中国名の「石荷(せっか)」を「雪下」という文字にあてたという説もあります。

ユキノシタの花
摘みたての春の野草の天ぷらはどれも美味しいものですが、中でもユキノシタの天ぷらは癖がなくて食べやすい味です。私の家にもユキノシタが生えていて、家族で天ぷらを作るときには祖母に葉を摘んでくるように言われたものです。軒下の葉からご馳走が生まれる不思議に驚き、その美味しさを頬張ったのを今でも鮮明に覚えています。ただし、ユキノシタには便通をよくする作用があり、おなかが緩くなることがあるので、いくら美味しくても食べ過ぎないよう注意が必要です。
ユキノシタは解熱作用、鎮咳作用、消炎作用などを有します。よく庭先にも植栽され、小児のひきつけ、むくみ、風邪、気管支炎、扁桃腺炎、中耳炎、湿疹、かぶれ、腫れ物や軽いやけど、しもやけなどに利用されてきました。
生命力が強く一度根付けば育てやすい植物なので、セリやミツバと同様に庭先に植えておくと、食用に、薬用にと利用できる心強い存在となります。花や葉も楽しむことができます。

ユキノシタの楽しみ方
ユキノシタのお茶
5〜7月の開花期に葉を採取し、風通しのよい場所で陰干しにします。手で折るとパリッと折れたら完成です。ガラス瓶や茶筒などで乾燥剤を入れて保管しましょう。これを生薬名では虎耳草(こじそう)と呼びます。薬用には煎じて飲むのですが、普通のハーブティーのように小さじ1~2杯ほどに熱湯150~200mLを注いで3~5分蒸らして楽しめます。
ユキノシタの天ぷら

<材料>
衣・・・米粉1:水1:卵1/3 の割合で混ぜる
米粉(打ち粉用)適量
お好みの具、ユキノシタの葉 適量
<作り方>
葉は利用するだけ採取します。水で汚れを軽く洗い流し、水気を拭き取ります。
まず、水で卵をよく混ぜてから、米粉を入れて軽く混ぜます。具材に米粉で打ち粉をしてから、天ぷら粉をつけて170℃の油で火が通るまで揚げます。油をよく切ってからお皿に盛りつけて完成です。一緒に季節の野草や山菜なども楽しんでみましょう。天然塩で食すのもおすすめです。
*2026年のブログでは、日本の行事や文化に馴染みの深い植物をご紹介しています。
参考文献
「自分で採れる薬になる植物図鑑」柏書房 増田和夫監修
「日本のハーブ事典」東京堂出版 村上志緒編
ブログ著
鈴木さちよ

