春の苦味を味わえるハーブ『ロケット(ルッコラ)』
季節の味、春の味「苦味」は、日本の春の野草でいうとフキノトウやタラノメなどでいただきますが、ハーブだとタンポポやロケット(ルッコラ)で摂る事ができます。南フランスのニースの市場では、マーシュ、パースレイン(スベリヒユ)、タンポポの若葉と共にロケットの若葉を混ぜた『ムスクラン』という春のミックスサラダをみかけます。
ロケットは秋に蒔いた種が発芽して春になると、多くの茎葉を立ち上げ花芽をつけます。
花が咲く前の柔らかい蕾や葉を手で摘み取って水洗いし小さくちぎってサラダにして、冬に溜込んだものをデトックスし、苦味のある味で食欲を呼び起こしましょう。花もエディブルフラワーとして一緒にいただく事ができます。
市販の種でもこぼれ種でも容易に発芽するので、家庭菜園で試してみたいハーブです。プランターでも育つので是非最初にトライしてみましょう。
若葉のおひたし
まだ花が開く前の蕾の付いた先10〜15cm位を手で摘み取り、沸騰した湯でさっと茹で、冷水に軽くさらします。
水気をよく絞って、食べやすい大きさに切りポン酢やからし酢みそなどをつけていただきます。
ロケットの押し花
段ボールを花をおくのに適当な大きさに切り2枚以上用意します。ティッシュを半分に切り2枚以上用意し、段ボウル紙の上にティッシュをのせ、同じくらいの花びらの厚さの花を並べます。
花の上からティッシュをのせ、その上に段ボウル紙を重ねます。この手順を花の数に応じて繰り返します。輪ゴムで2〜3カ所止め、電子レンジ600Wで約40〜60秒加熱します。手にとって花がぱりっとすれば出来上がり。
木工用ボンドなどでハガキや付箋紙に押し花を接着して利用します。上から薄くボンドで覆うと保護にもなります。日に当たらない所におけば1年程は色も楽しむ事が出来ます。保存する場合は密封出来る袋に空気を抜き、シリカゲルとともに入れておくと乾燥を保つことができ長持ちします。
鈴木さちよ
4月のハーブ:ロケット(ルッコラ)
和名: キバナスズシロ
学名: Eruca vesicaria subsp, sativa
別名: Roquette / Arugala, ルッコラ
原産地: 地中海沿岸
分類: アブラナ科 /キバナスズシロ属
花言葉: 競争
特徴:
高さ60〜100cmの一年草。槍形や長楕円形の葉で、淡いクリーム色の十字形の4弁の花をつけます。近縁種にスイートロケットやワイルドロケットがあります。
利用:
強壮、健胃、利尿などの作用があり、胃のむかつきに用いられます。ビタミンCを含む葉は美肌作用もあり、野菜サラダに混ぜるとぴりっとした苦味とゴマの香りを楽しめます。
参考文献:
ハーブの図鑑/萩尾エリ子著/池田書店
ハーブハンドブック/蓼科ハーバルノート監修/池田書店