「エシカル消費」とは何か?

鈴木ハーブ研究所では素敵な未来で、皆さまの人生がより良いものになるように、「エシカル消費」について皆さんと一緒に考えていきたいと思っています。

[私たちの見つけた本当にいいもの]第1回目の今回は『「エシカル消費」とは何か?』について一般社団法人エシカル協会理事の竹地由佳様から寄稿していただきました。

「エシカル」という言葉、聞いたことはあるものの深くは理解していなかった、なんて方も多いのではないでしょうか?

このコラムで「エシカル消費」を知り、興味を持っていただけますと幸いです。

 

竹地 由佳
YUKA TAKECHI

一般社団法人エシカル協会理事

宮城県仙台市出身。転勤族の親に伴い、12歳まで6回お引っ越し。新しい環境にワクワクするタイプで、小学生の頃は遊牧民族に憧れる。東京在住の今、もっと自然に囲まれたところに住みたいと考え中。大学卒業後は銀行に就職。昼は営業、夜は環境やフェアトレードの講座に通い、代表末吉と出会う。2011年の東日本大地震をきっかけに、エシカルな仕事をしたいと決意。アメリカでのボランティア活動などを経て、2015年に協会設立に携わり、こうみえて古株な理事。元気いっぱいな男の子2人の子育て中で、仕事3時間・公園3時間の日々を楽しんでいる。メールマガジンの海外エシカル事情を執筆、法人会員の担当。

 

エシカル消費とは

「エシカル」という言葉を耳にしたことがありますか?エシカルとは英語で、直訳すると「倫理的な」という意味です。

一般的には「法的な縛りはないけれども、多くの人たちが正しいと思うことで、人間が本来持つ良心から発生した社会的な規範」であると言えます。ここでお伝えしたい「エシカル」とは、根底には一般的な定義が流れているものの、特に「人や地球環境、社会、地域に配慮した考え方や行動」のことです。

横文字だし、ちょっと難しいと思った方もいるかもしれません。

実はエシカルは、思いやり、おかげさま、お互い様、足るを知る、といった私たち日本人が古くから大事にしてきた言葉と高い親和性があり、とても身近な考え方なんです。

 

さて、エシカルは形容詞なので、様々な名詞と組み合わせることで、その意味は多様に広がります。中でも、私たち誰もが毎日なにかしら消費して暮らしているので、「エシカル消費」について考えてみたいと思います。

エシカル消費とは「地域の活性化や雇用なども含む、人や地球環境、社会に配慮した消費やサービス」のことを言います。

例えば、フェアトレードや寄付つき製品の購入、地元商店でのお買い物や伝統工芸、規格外の野菜を買ったり被災地支援につながる応援消費、地産地消、省エネ家電や動物福祉に配慮された製品の購入などが挙げられます。

また、有機JASマークやFSC森林認証マークなどの認証ラベルを目印にすることもおすすめです。私たち一人ひとりの消費によって、どこの誰にどのような影響を及ぼすかを考えることが重要になってきます。

エシカルとは、「いきょうを っかりと んがえ」ということです。

 

なぜ今、エシカル消費が必要なのか

あなたが身につけている服や今朝飲んだコーヒーやお茶は、どこで誰がどのようにして作ったか分かりますか?きっと多くの人が分からないと思います。

なぜなら、その背景を知りたいと思っても調べることがとても難しく、私たちとモノの背景の間に大きな厚い壁が立ちはだかっているのが現状だからです。その壁の先で何が起こっているのかというと、私たちが何気なく消費しているモノの背景では、環境破壊や児童労働も含む人権問題、これらが複雑に絡み合って生じる貧困問題、生物多様性の損失など様々な問題が起こっています。私たちは知らないうちにこのような問題に加担している可能性が大いにあるのです。

このまま問題の一部ではなく、どうしたら解決の一部になれるのでしょうか。その有効な方法のひとつがエシカル消費です。エシカルなモノは、どこで誰がどのようにして作ったかが分かるという生産過程においての透明性があり、生産者の顔が見える関係です。

石鹸を例にとってお話ししたいと思います。一般的に石鹸の原料にはパーム油が多く使われています。パーム油はアブラヤシという植物から採れる植物油です。ただ安価で生産に関わる情報にアクセスできない石鹸は、アブラヤシプランテーションを開発するために熱帯雨林が伐採され、それによる環境への悪影響はもちろん、希少な野生動物の住処を奪って絶滅の危機に追いやり、あるいは、元々そこに住んでいた先住民族の土地を奪う、といった深刻な問題をはらんでいるかもしれません。

一方で、自然の持続可能性に配慮され、代々受け継がれてきた製法で生産者の思いが込められた石鹸も多くあります。日々のお買い物に価格やデザインや機能性といった基準もある中で、エシカルというものさしをもって選択することは、私たちの意思表示であるといえます。

つまり、どんな社会をつくっていきたいか、ということです。エシカル消費を通じ、私たち一人ひとりが解決の担い手になれる力をもっています。

 

エシカル消費の心構え

はじめにお伝えした通り、エシカルは広く奥行きのある考え方です。どのように取り組み始めるのか正直わからない、という方も少なくありません。

そんなときは、まずは自分自身と向き合ってみていただきたいと思います。自分は何が大事なのか、どんなことをしたら気持ちいいのか、どんな世の中になったら幸せかを問いかけてみることです。

もし自然環境の問題に対して特に心が動くのであれば、環境に配慮した行動としてプラスチック製品の使用を減らす暮らしを試みたり、あなたに子供がいて、児童労働がない世界を強く望むのであれば、フェアトレード製品を買ったり周りの人々に伝えたりということも大きなアクションになります。

このように、まずは自分の関心のあるところから少しずつ取り組んでみるのはいかがでしょうか。それから、一人の生活者として声を届けることもおすすめしたいです。

例えば、動物に配慮した製品がもっとあったらいいなと思ったとき、その思いをお店に伝えることです。大事なポイントは批判でなく、応援のスタンスで日頃の感謝とお店のファンであることを伝えつつ、あったらいいなと思う製品をリクエストすることです。あなたの声で、そのお店がエシカルな舵を切るきっかけになるかもしれません。

実は、エシカル消費に100%完璧や正解はありません。だからこそ、影響をしっかりと考えながら、そのときにできるベターな選択を積み重ねていただきたいと思います。エシカルな世界をつくっていくのは、1人の100歩より100人の1歩です。

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