心と体をほぐして鎮める『パッションフラワー』

パッションフラワーは南米原産の多年生つる植物です。亜熱帯植物なので耐寒性は低く、日本の冬は室内での管理が必要になります。和名は「チャボトケイソウ」、学名は「Passiflora incarnata」といい、500種類もの仲間があるトケイソウ科の一種です。この花は副花冠と花弁が十字架とイバラの冠に似ているといわれ、非常に印象的でエキゾチックな花姿をしています。

パッションフラワーの花はとても個性的

パッションフラワーの花

果実が肥大化して食用にするパッションフルーツ(学名:Passiflora edulis)も同じトケイソウ科の一種で似た花をつけます。

パッションフルーツの花

果実を食すパッションフルーツの花

パッションフラワーは鎮静効果のあるハーブとして知られています。交感神経中枢の働きを正常にする効果があるとされ、優れた弛緩剤として神経緊張や不眠の治療にも利用されてきた歴史があります。

地上部の全草をハーブティーとして利用します。クセのない草花の香りと味わいで、不眠や緊張、イライラした気持ちを解きほぐし、リラックスさせる効能があります。とりわけ不眠症には自然な眠りを誘い、すっきりと目覚めることができると人気のあるハーブティーです。また、神経を鎮め、痛みをやわらげる作用もあるため、神経痛や筋肉痛、帯状疱疹、パーキンソン病などの他、ストレスからくる片頭痛や腹痛、高血圧などにも有効とされています。また、胸部における弛緩作用により、炎症を起こす神経性の咳を鎮め、痙攣を抑える作用もあります。咳や喉の風邪症状が長引いてすっきりしない場合などにもお試しください。

注意:モノアミンオキシダーゼ阻害抗うつ剤との併用は避けてください。

 

パッションフラワーの楽しみ方

パッションフラワーのブレンドハーブティ

パッションフラワーのハーブティー

<材料>
パッションフラワー   小さじ1
レモンバーム      小さじ1
カモミールジャーマン  小さじ1

緊張や不安をやわらげる効果があり、心を安定させて、安眠を促進します。大人もイライラしやすかったり、不安が強まり、ストレスがたまって眠れないときは、日中も飲むと良いでしょう。作用がおだやかなので、気持ちがたかぶり、眠れない子供にもおすすめです。1歳以上であればハチミツなどを入れると飲みやすくなります。小さなお子さんや初めて飲む場合は、薄めに作って少量から試して下さい。

 

 

参考文献

「ハーブティー事典 115種の効能、味、香り、ブレンド」池田書店 佐々木薫著
「花のもつ癒しの魅力 フラワーヒーリング図鑑」産調出版 アン・マッキンタイア著
「プロフェッショナルハーブ療法」産調出版 アン・マッキンタイア著

ブログ著

鈴木さちよ

ブログ監修

管理栄養士 坂本禮子

 

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