爽やかな香り、防虫に『サントリナ』

サントリナは地中海沿岸の南ヨーロッパや北アフリカの乾燥地が原産です。葉は細かい鋸状で、銀白色のもの、鮮やかな緑のものなどいくつか種類があります。刈り込みに耐える特徴から庭や花壇の縁取りに利用されます。別名コットンラベンダーと呼ばれますが、ラベンダーの仲間ではなくキク科の植物です。小さな丸いポンポンのような黄色い花をつけ、和名はワタスギギクといいます。

ハーブガーデンのサントリナ

ハーブガーデンのサントリナ

銀白色の葉が美しいサントリナ

銀白色の葉のサントリナ

歴史は古く古代ギリシャやローマ時代から栽培されており、イギリスの王侯貴族が庭園に好んで用いていました。乾燥した枝葉の束を戸棚に吊したり、カーペットの下に敷いて虫除けにしました。フランスでは防虫剤として衣装戸棚の中に入れるそうです。

サントリナの枝

枝葉は虫除けに利用できる

虫がつきにくい植物ですが、2年目以降は株が大きくなるので、春から伸びた枝は花が終わった後に梅雨になる前に収穫を兼ねて思い切って刈り込んだり、すかしたりしましょう。刈り込みが甘いと株が暴れて真ん中から割れてしまったりして扱いにくくなってしまいます。

サントリナの楽しみ方

防虫用に

束ねて衣装ダンスの中に吊したり、匂い袋に入れて衣類の間に入れます。カーペットの下にも敷いて虫除けにします。“ストローイングハーブ”(「ストロー」は撒き散らすの意味)といって、ヨーロッパでは感染症が蔓延した16〜17世紀、殺菌作用のあるハーブを床に敷きました。踏むことで香りを出し、消臭、抗菌、防虫などに利用されました。

園芸用に

花壇の縁取りなどの低い生垣や、シルバーガーデンに利用します。耐寒性はありますが、寒冷地では簡単な保護が必要です。乾燥には強いのですが、湿気や蒸れに弱いので気をつけてください。

サントリナの葉 蒸れに弱い

蒸れに弱いので花後に刈りこむとよい

ドライフラワーに

シルバーの葉、グリーンの葉、黄色い小さな丸い花、どれも美しくドライにできます。梅雨前の刈り込みなどで出た枝は乾燥させてドライフラワーにして花束やリースに利用しましょう。細かいものはにおい袋(サッシェ)や押し花などに利用するのもオススメです。爽やかな香りがしてクラフト製作中も楽しむことができます。

参考文献

「ハーブのすべてがわかる事典」ナツメ社
「ハーブの図鑑」池田書店
「香りと花のハーブ図鑑500」主婦の友
「ハーブの写真図鑑」日本ヴォーグ社

ブログ著

鈴木さちよ

ブログ監修

管理栄養士 坂本禮子

 

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