赤い実がかわいい『ホーソン』

ホーソンは血液の循環を良くして心臓の働きを助けるハーブです。
ヨーロッパでは魔除けに利用され、屋外に束ねた枝を置いて魔女や嵐へのお守りにしたそうです。

▲ホーソンベリー

近年では心臓病だけでなく、認知症予防にも効果が期待され、葉や花、果実を使ったハーブティが他のハーブとブレンドされて流通しています。
ハーブティーは不安感とストレスの緩和や睡眠を促す作用もあります。秋の夜長にゆっくりとハーブティーをいただくのもオススメです。

▲ホーソンティーの茶葉

実を完全に完熟する前に実を採取し、中の核を取り除いて日干しにしたものを生薬の『山査子(サンザシ)』といいます。
健胃、消化不良、胃炎、下痢などに利用します。また、果実はお茶の他にも砂糖漬けやはちみつ漬けにして食用にできます。

ヨーロッパのアイルランドのタラの丘には「妖精の木」と呼ばれているホーソンの木がありました。
赤いリボンを枝に結んで祈りを捧げると願いが叶うと言われていて、ヨーロッパ各地から訪問する人が後を絶たないようでした。

日本では普段あまり見かけないホーソンですが、
今回改めてハーブの本を開いてみると、多くの事典に登場するハーブだということが分かりました。
庭木として、ハーブとして活用していきたいと思います。

ホーソンの楽しみ方

ホーソンのはちみつ漬け

<材料>

ホーソンの実   50g

はちみつ     50g(実と同量、もっと少なくても可)

氷砂糖       5g(適量、入れなくても可)

<作り方>

煮沸したガラス瓶にホーソン、はちみつ、氷砂糖を交互に入れ完全に実がはちみつに隠れるようにします。

瓶の蓋は緩く締めてください。(発酵するとガスが発生して瓶が割れてしまう場合があります。)

冷暗所で3週間ほど置きます。香りや成分が移ったはちみつを料理や白湯に入れて利用します。

ハーブティー用の甘味として利用しても良いでしょう。

 

ホーソン酒(ホーソンのホワイトリカー漬け)

<作り方>

煮沸したガラス瓶にホーソンの実を入れて、ホワイトリカーを注ぎ入れます。

次に氷砂糖を実の上に置き、実が浮き上がってくるのを防ぎます。

1日1回瓶をゆすり、3週間ほど冷暗所で寝かせたら出来上がりです。

水やお湯などでホーソン酒を割って召し上がってください。

<煮沸消毒の方法>

たっぷりの鍋でガラス瓶と蓋を熱湯で3分から6分煮沸します。

煮沸消毒をするとカビや雑菌が入らなくなり、中に入れた食材を長持ちさせることができます。

瓶を茹でる時は大変熱くなりますので、火傷には十分注意してください。

注意:心臓病の薬などを利用している場合は薬物相互作用がありますので必ず専門家に相談してから使用してください。

参考文献

「プロフェッショナルハーブ療法」アン・マッキンタイア著 産調出版

「メディカルハーブの事典」林伸一郎編 東京堂出版

「自分で採れる薬になる植物図鑑」増田和夫監修 柏書房

「ハーブのすべてがわかる事典」ジャパンハーブソサエティー著 ナツメ社

ブログ著

鈴木さちよ

ブログ監修

管理栄養士 坂本禮子

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