聖なる木『クワ』

鳥が種を運ぶのでしょうか、鈴木ハーブ研究所のハーブガーデンではあちこちで桑の木が芽吹いています。


▲ハーブガーデンの桑の木

桑の木は一度芽を出すと抜き取るのに苦労するほど力強く成長します。
絹の元になる蚕繭を作り出す、蚕の唯一の餌として広く栽培されました。

絹はシルクロードを通ってヨーロッパへと運ばれ、中国に莫大な富をもたらしました。
このことから蚕が食べるクワを「聖なる木」と呼び、桑の木で作った箸を使うと長生きするとも言われ好まれたそうです。

クワは根皮を桑白皮(ソウハクヒ)、葉を桑葉(ソウヨウ)、実を桑椹(ソウジン)としていずれも生薬としても利用されます。

桑の実を漬け込んだ果実酒は疲労回復や強壮に、乾燥した根皮をつけたクワ酒は高血圧の予防に、煎じて消炎、利尿、咳にも飲用されます。

特に近年、桑の葉に含まれているDNJ(デオキシノジリマイシン)は食後の血糖の上昇を抑制するため、糖尿病を始めとする高血圧、便秘、肥満などの生活習慣病の予防に活用されています。
ハーブ専門店や健康食品専門店などで、桑の葉のお茶は「マルベリーティー」という名前で販売されています。

▲桑の葉

クワの楽しみ方

桑の葉茶(マルベリーティー)

<材料>

桑の葉茶の粉末   小さじ1(3g)
熱湯            150ml

<作り方>
桑の葉茶(ティースプーン1杯)に熱湯を注ぎ、フタをして5分間抽出してできあがりです。

桑の葉には糖分の吸収を抑える働きがあるので、食前に飲むのもおすすめです。

 

桑の葉の天ぷら

桑の葉の若葉を天ぷらにして食用することもできます。
青紫蘇の葉の天ぷらと同じく、色が変色せず利用することができます。
クセが無く美味しくいただけます。

参考文献
「メディカルハーブの事典」林伸一郎編 東京堂出版
「自分で採れる薬になる植物図鑑」増田和夫監修 柏書房
「ハーブのすべてがわかる事典」ジャパンハーブソサエティー著 ナツメ社

ブログ著
鈴木さちよ

ブログ監修
管理栄養士 坂本禮子

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