喉にやさしい黄色い果実『カリン』
秋の空に芳しい甘い香りと黄色い果実を輝かせるカリン。
▲カリン
4〜5月頃に淡い紅色の花を枝先につけ、果実は10cmほどの大きさで10月頃に熟期を迎え、色を緑から暗黄色に変えます。果実は固く生で食することはできませんが、甘酸っぱい芳香を放ちます。
カリンの果実は昔から咳止めや疲労回復などに利用され、生薬としては「木瓜(もっか)」と呼ばれています。
咳止めやのどの痛みに木瓜(もっか)
<作り方>
よく熟した果実を採取し水洗いして、10分ほど湯通ししてから厚さ1cm程度に縦割りにして、日干しして乾燥させます。これを木瓜(もっか)といいます。
木瓜(5〜10g)に水200mlと砂糖少々を加えたものを水が半量になるまで煎じて、1日3回に分けて服用すると、咳止めやのどの痛みによいとされています。
疲労回復にカリン酒
<材料>
生のカリンの果実 1kg
砂糖 200g
ホワイトリカー 1.8ℓ
<作り方>
生の果実を洗い、水気を拭き取ったものを縦割りにして、材料とともに煮沸した保存容器に入れ、冷暗所で半年から1年ほど熟成させます。熟成が終わったら果実を取り除きます。盃1〜2杯を1日分として飲みます。
著
鈴木さちよ