睡眠の質を改善して
夏の疲れをリセット!


とにかく暑かった今年の夏。東京では82年ぶりに最も遅い猛暑日(2024年9月18日)を記録するなど残暑も厳しく、肌も心もぐったりですね。
この疲れをリセットするには、まずはぐっすり眠ることが大切。睡眠の質を上げて、毎日を元気にいきいきと過ごしましょう。

知っておきたい、睡眠のこと

そもそも日本人は睡眠時間が少ない?

OECD(経済協力開発機構)が睡眠時間について調査した結果、日本の平均睡眠時間は7.3時間。対象となった33カ国の中で最下位でした。
また”睡眠で休養がとれていない”と感じる人は、40代・50代が最も多く3割程度の方が休養がとれていないと感じているようです。
(厚生労働省 令和4年度国民健康・栄養調査より)
睡眠の「質」に関わることを『睡眠休養感』ともいい、最近の研究では、睡眠時間だけでなく睡眠休養感が健康にも深く関連することが分かってきました。

 

ぐっすり眠るための条件とは?

快眠を得るためには大きく次の4つがカギと言われます。

(1)深部温度を下げて休息モードにする
眠る前の赤ちゃんの手足に触ると温かくなっています。これは熱を放出してカラダ内部や脳の温度を下げ、休息モードに切り替えるため。
深部温度が下がっていく時に眠気が起こることを知っておきましょう。

(2)リラックスして副交感神経を優位に
眠りは自律神経と深い関わりがあります。昼は活動を司る交感神経が働き、夜は休息に関わる副交感神経が優位になります。
副交感神経へスムーズに切り替えるにはリラックスしていることが大切です。

(3)メラトニンの分泌を促す
眠りを誘うホルモン「メラトニン」は、太陽光を浴びてから14〜16時間後に分泌量が増え、真夜中にピークになると言われます。
メラトニンを正しく分泌させるためにも寝る1〜2時間前から強い光を浴びないようにしましょう。

(4)体内時計の周期を整える
人の体内時計は24時間より長めにできています。起床時に太陽の光を浴びたり、眠る時間をなるべく一定にするなど体内時計のリズムを整えることが大切です。

 

寝る前は部屋を暗めにしてリラックスしましょう。メラトニンの分泌量が抑制されるので、光の強いスマホの使用は避けましょう

今日からできる!睡眠の質を上げるリラックス法

アロマ効果で快眠へ

アロマには心を落ち着かせリラックスさせる効果が期待できます。副交感神経も刺激され、休息モードにスムーズに移行できる方法として手軽に取り入れられるのでおすすめです。

 

(1)アロマを焚く 

アロマポッドやディフューザーを使う他、専用の器具がなくても楽しめます。ハンカチにしみこませてベッドのそばに置いたり、マグカップに熱いお湯を入れ、そこに1〜3滴垂らすだけでもOKです。

 

(2)バスソルトで楽しむ 

料理などでも使用する天然塩にアロマオイルをしみこませるだけでバスソルトが完成。精油の薬理作用と、天然塩の発汗作用や保温作用、血行促進作用と併せた働きで効果を実感しやすく、またアロマのやさしい自然の香りがストレスを癒やし、リラックスできます。

 

おすすめアロマ①ラベンダー

ラベンダーに含まれる揮発性有機化合物「リナロール」や「酢酸リナレル」には抗菌作用・安眠作用・リラックス効果があることで知られています。これまでアロマの使用経験がない方にも使いやすい香りです。

おすすめアロマ②ベルガモット

ラベンダーと同様の作用がある他、柑橘系の香りの元となっている「リモネン」に血管拡張作用もあり、冷え症や寒気で眠りにつけない方にもおすすめ。

おすすめアロマ③ヒノキ

ラベンダーやベルガモットよりやや凜とした香りが特徴。甘く爽やかな香りがそこまで得意ではない方や、男性にもおすすめできるアロマです。ヒノキに含まれる「カジネン」「カジノール」という成分が、リラックス作用・鎮静作用があると言われています。

上手な入浴で快眠へ

シャワーではなく湯船につかることは、快眠のためにとても効果的です。

  • 38〜40℃の少しぬるめのお湯に20〜30分つかる
  • 入浴の時間は寝る1〜2時間前が効果的

42℃を超える熱いお湯につかると交感神経が活発になってしまうので気をつけましょう。

 

冷温交代入浴でさらにリラックス

温かいお湯による血管の拡張と、冷たい水による血管の収縮作用を利用した入浴方法が「冷温交代入浴」です。サウナで水風呂に入るのと同様に、血管の拡張・収縮を繰り返すことにより、血流が良くなり、身体の疲労物質が減ると言われています。
いきなり全身に冷たい水を浴びるのではなく、最初は足で慣らしてから、首などにかけ全身にかけていくのがおすすめです。
※高血圧や心臓に疾患がある人は医師に事前にご相談のうえお試しください。

 

 

ツボ押しで快眠へ

ツボにはそれぞれ対応した内臓や器官があり、ツボを押すことで、それに対応した身体箇所に刺激が伝わるため、睡眠の質改善にも役立ちます。本来は眠りが悪い原因によって押すツボが違いますが、今回はどのタイプの睡眠不調でも使える基本のツボをご紹介します。

 

おすすめツボ①労宮(ろうきゅう)

手を軽く握った時、人差し指と中指の先端の中間にあるツボ。手のひらの血流が悪くなると自律神経を緊張させるので、手の真ん中の「労宮」をおすことで血行が良くなり、体の緊張を緩和させて脳もリラックスできます。

 

おすすめツボ②失眠(しつみん)

かかとの中央にあるツボです。不眠緩和の代表的なツボでお灸もおすすめです。かかとを湯たんぽにのせて軽く温めるだけでもツボ刺激になります。

おすすめツボ③百会(ひゃくえ)

頭頂部にあるツボです。百(多様な)の経路が交わる意味を持ち、さまざまな効果を持つ万能ツボと言われます。全身の内臓や血管の機能をコントロールする自律神経と直結してその働きを整え、また心を落ち着けるのに役立つと言われます。

睡眠時間を確保し、睡眠の質を高めることで、夏の疲れを早くリセットし、秋を楽しみましょう。

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