謙虚と不変の愛の象徴『スミレ』
シェイクスピアはスミレの花が好きだったそうです。
この花を謙虚と不変の愛の象徴として作品に登場させています。春、スイートバイオレット(以後スミレと記します)は林の中などにうつむき気味に顔を見せます。少女のように恥じらうようなその姿がなんとも愛らしくて、息をひそめるように見つめてしまいます。
花は小さいけれど、シロップや蒸留酒につけたスミレの花の香りは爽やかに甘く、ヨーロッパのスペインやギリシャなどではこの香りがするお酒や化粧品なども好まれて利用されています。
エディブルフラワー(食べられる花)であるスミレを生のままサラダやケーキに飾ったり、砂糖菓子にしたりと春の香りを楽しんでみましょう。近縁種のハーツイーズ(サンシキスミレ)も同様に利用できます。
スミレの花の砂糖菓子
スミレの花 適量
卵白 1ヶ分
グラニュー糖 適量
小さな絵筆(刷毛)
スミレの花の水気をとり、良く解きほぐした卵白を小さな絵筆(刷毛)で花びらに塗ります。卵白が乾かないうちにグラニュー糖をまぶし乾燥させます。乾燥させた花をケーキに飾り付けたり、紅茶に添えてお好みで紅茶に入れてもいただくのもよいでしょう。
鈴木さちよ
2月のハーブ:スイートバイオレット(スミレ)
和名: スミレ
学名: Viola odorata
別名: リトルフェイセス
原産地: ヨーロッパ
分類: スミレ科/スミレ属
花言葉: 謙虚、誠実、小さな幸せ
特徴:
高さ15~30cm位で、匍匐茎(ランナー)で殖えます。丸い小さなハート形の葉を持ち、甘い香りのする小さな花を咲かせます。近縁種にはハーツイーズ(Viola tricolor)(サンシキスミレ)と呼ばれる種があります。
利用:
冷却、消炎、去痰、去咳、解熱、鎮静、利尿などの作用があります。頭痛、二日酔い、視力の低下、抗鬱症、胆汁の過多、胸部の炎症、炎症性の短い空咳、百日咳、その他の胸部の感染症、喉の痛み、呼吸器の疾患、歯茎の炎症、子供の便秘、乳房・肺・喉・腸の腫瘍などに利用しました。スミレをシロップや砂糖や蒸留酒などに漬け込んで飲みます。パップ剤として赤く腫れた患部や、ひび割れてひりひり痛む皮膚の炎症に貼ることができます。抽出液は目がひりひり痛む時の洗眼液にすることができます。
(注意:種や根は有毒で服用しすぎると吐き気を催します)
参考文献:
ハーブの図鑑/萩尾エリ子著/池田書店
ハーブハンドブック/蓼科ハーバルノート監修/池田書店
花のもつ癒しの魅力/アン・マッキンタイア著/産調出版