勝利と栄光のシンボル「ベイ(月桂樹)」

小さい頃、母が作ったカレーを食べるとたまに固い葉がまぎれていることがありました。その葉がこのベイ(月桂樹)の葉でした。葉の香りを嗅ぐと懐かしい記憶がよみがえります。

私の家では、新しい年を迎える前のこの時期に来年の豊富をイメージして艶のある美しい葉に願い事を記したり、体調管理のためにベイ(月桂樹)の葉を使って野菜スープを作ったりと活躍します。心も身体も温めてくれる頼もしい存在として庭に植えています。

代表 鈴木さちよ

ベイ(月桂樹)にまつわる物語

ギリシャ神話ではアポロンに愛された内気な妖精ダプネが彼のしつこい求愛から逃れるために木に化したのがこのベイ(月桂樹)と呼ばれています。
ベイ(月桂樹)の葉を枕の下に置いて眠ると予知夢を見ることができ、燃やすと直感が高まると信じられてきました。また、ベイ(月桂樹)の葉に願いことを書いて燃やすとその願い事は叶うと言われていて、口に含むと不運に見舞われないと信じられていました。
古代ギリシャや古代ローマでは陸上競技などの選手が試合の時に身につけるとパワーが倍増し勝利と栄光をもたらすともいわれていたようです。実際に勝利と栄光のシンボルとして、勝者や主導的立場の人たちの頭や首を飾る冠や首飾りに使われてきました。

ベイ(月桂樹)の葉の楽しみ方

凧糸や針金などに何枚もの葉を通し台所の窓辺などに吊るしておきます。乾燥して保存することができると同時にリースとして装飾することができます。

身を守り栄光をもたらすと信じられた葉を身近に飾りながら料理にも利用するのは一挙両得。料理に利用する際は葉の2~3ヶ所に手で切れ込みをいれるとより風味が増します。

好みで生を利用したり、乾燥させたり、一度蒸して乾燥させたものを利用します。私は生の葉を利用するのが好きです。

12月のハーブ:ベイ

和名:ゲッケイジュ(月桂樹)

学名:Laurus nobilis

別名:ローレル、ローリエ

原産地:南ヨーロッパ

分類:クスノキ科、ゲッケイジュ属 / 常緑低木~高木

花ことば:栄光、勝利、Glory

特徴:
高さ2~12mの常緑樹で、枝葉が多く繁ります。固い艶のある長楕円形の葉は互生し、黄色~クリーム色の小さな花をつけます。果実は楕円球形で黒紫色に熟します。

利用:
煮込み料理を作る際に他のハーブ(タイム、パセリ、ローズマリー、セロリなど)と束ねて凧糸で結び、スープの風味出しに用いる「ブーケガルニ」が有名で す。消化促進、防腐効果があります。少量の葉のハーブバスは関節の痛みを和らげます。米や小麦粉などの穀物の中に葉を2~3枚入れておくとコクゾウムシを 防ぎます。精油は強い抗菌作用、抗ウイルス作用があります。神経強壮効果、鎮静作用もあり関節の痛みを緩和します。
※アレルギーをおこす場合があるため外用する前にはパッチテストをしてください。

参考:
「オーガニックハーブ図鑑/ジェッカ.マクビカー著/文化出版局」 、「ハーブの図鑑/萩尾エリ子著/池田書店」 、「願いを叶える魔法のハーブ事典/スコット・カニンガム著/パンローリング株式会社」、 「花の神話と伝説/C・M・スキナー著/八坂書房

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