ピンチに頼れる秋のハーブ『ソバ』
私の母の故郷は現在の茨城県常陸太田市(旧水府村)という場所です。この地は蕎麦処で「常陸秋そば」として知られています。もうすぐ新蕎麦の季節を迎えます。常陸太田市はもとより茨城には美味しいお蕎麦屋さんがあちこちにあり、家族も大好きでよく食べます。


こちらの道の駅でもソバを食べられます
ソバはタデ科ソバ属の中央アジア原産の一年生草本で、学名はFagopyrum esculentum。この学名のFagopyrumは「ブナ属」を意味するFagusと「小麦」を意味するPyrosが組み合わされたもので、「ブナに似ていて小麦のように食べられる」ことを意味します。また、「蕎麦」という名に「麦」の字がついているのは種子が似ていることによるといわれています。

種まき後約60〜80日で収穫できるため、奈良時代の朝廷は救荒作物としてソバの栽培を奨励したそうです。また、「年越し蕎麦」の由来については様々な説があるようですが、一つには鎌倉時代、博多にある承天寺で貧しい町人に年の瀬に「世直し蕎麦」を振る舞ったところ次の年から運が向いてきたことから、大晦日にはソバを「運蕎麦」として食べる風習になり、現在まで続いているといわれています。

ソバの花
ソバは、種子と果皮を利用します。消炎、競争、血圧降下、緩下、利尿作用等があるといわれ、現代の漢方の本には、「ソバは甘、涼、脾・胃・大腸、陰虚・気滞・湿熱・瘀血。食欲を促し、腸の働きを整える作用があり、食欲不振、腹痛、便秘にも適した食材。また、体の熱を鎮め、気の乱れを正し、頭痛、ほてり、イライラや怒りで逆上した気持ちを落ち着かせる。胃のむかつき、お腹の張り、消化不良、吐き気、ゲップなど、脾と胃に流れる気が逆流して引き起こされた症状にもよい」と掲載されています。また、外用には止血、抗炎症作用があるので、そば粉を練って打ち身、捻挫、腫れ物のある部位に湿布薬としても用います。
現在のような蕎麦の食べ方(蕎麦切り)発祥の地については山梨県大和村の天目山である説と長野県塩尻市宗賀の旧本山宿であるという説があります。18世紀頃に日本全国に広まったといわれています。
ソバの花言葉は「あなたを救う」。ソバは体調不良の時、飢饉の時、ピンチの時私たちを救ってくれる存在なのかもしれませんね‥‥。
※ソバアレルギーの方には用いないようご注意ください。
ソバの楽しみ方
そばがき

<材料>
そば粉 65g
熱湯 70mL
<作り方>
加熱は行わず、ボウルに材料を入れて混ぜるだけのレシピです。そば粉をボウルに入れて熱湯を半量ずつ加え菜箸などで混ぜていきます。最終的にたまにならずねっとりしたら出来上がり。スプーン2本で丸めるようにすくい取り器に持って、ネギ、ワサビなど薬味をトッピングして出来上がりです。お好みで塩や醤油や麺つゆでお召し上がり下さい。
そば茶

<材料>
そばの実 100g
<作り方>
焦げないように火加減を調節しながら(弱火〜中火程度)で油気のないフライパンでそばの実を空炒りします。
炒り終わったらお皿などに取り出し、しばらく冷めるまで待ちます。
密閉容器などで除湿剤を入れ保管し利用します。
ソバ独特の風味と香ばしさから、一度飲んだらやみつきになることが多いお茶です。様々な栄養素が含まれていますが、中でもルチンや食物繊維などが豊富に含まれており、食事中の急激な血糖値の上昇を防いでくれます。ノンカロリーでノンカフェインなので妊婦さんやお子様でも飲用できます。
参考文献
「いつもの食材漢方 効能&レシピ帖」早乙女貴子著 つちや書店
「日本のハーブ事典」村上志緒編 東京堂出版
ブログ著
鈴木さちよ
- インスタグラムでもハーブ、庭作り、身近な植物などについて発信しています

