水戸芸術館の蚕のワークショップに参加しました vol.2

こんにちは。スタッフ雨谷です。
水戸芸術館で開催されたワークショップ『蚕を育ててみよう』

2回目の『繭から糸をとってみよう』を見学してきました。

1回目『まちの桑で蚕を育ててみよう』はこちら

今回は、自宅で育てた蚕の繭から、「生糸」と「真綿」の2つの作り方を体験します。

蚕が糸を作る仕組み

ちなみに蚕は糸をどのように作るのでしょうか。
蚕は、食べた桑の葉にふくまれるタンパク質、アミノ酸、炭水化物 などを材料として、「絹糸腺(けんしせん)」という器官で、絹糸のもとになるフィブロインとセリシンというタンパク質を作ります。
繭をつくる場所(まぶし)に着くと、絹糸線でつくられたフィブロインの周りをセリシンが包み込み、口の下にある「吐糸口(としこう)」から吐き出されます。
こうして作られる1個の繭には、約1,000mもの長さになるそうです。

また絹糸が美しい光沢を持つ理由は、フィブロインの形が三角形の形をしているため、光を通る際、プリズムと同じ現象が起こり、独特の柔らかく美しい光沢になると言われています。

 

引用:「カイコからのおくりもの」一般財団法人大日本蚕糸会

参加者さんの元で育てられた繭

繭から糸を取ってみる

まずは絹糸を取る体験

私は、繭から絹糸を取る体験の方から行いました。まず、繭を煮て、セリシンを溶かし、糸をほぐしやすくします。

その後、割りばしで繭の表面を軽くとつつくと細い糸がくっついてきます。糸の強度を出すため、今回は7個の繭から出た糸をまとめて1本の糸にしました。その糸を水戸芸術館のスタッフの方が作っていただいた糸巻き機を手で回しながら、糸を巻き付けていきます。

水戸芸術館スタッフ自作の糸巻き機。ペットボトルを回転させて糸を巻き付けていきます

7個の繭の糸を1本にまとめながら、糸巻き機を手で動かしながら糸を巻き付けていくのは、想像以上に集中力が必要な作業でした。巻きつけた糸はとても丈夫で、滑らかで光沢もありとても綺麗でした。

 


次は真綿づくり

続いて真綿づくりを体験しました。
真綿づくりは、日本真綿協会の先生から教えていただきました。
水を張ったたらいの中で、事前に煮ておいた繭を手の上にのせ、指でトントンと優しくたたきながら、繭をほぐしていきます。

5分ほど水をつけながらたたいていくと、蛹が出てくるための穴が開いてきます。そこから蛹を取り出し、その穴に指を入れてゆっくりと手で繭を広げていきます。

そのようにした真綿を3枚重ねて、今度は2人で一緒に真綿を持ってゆっくりぴっぱり更に広げていきます。

そうして広げた1枚の真綿を、最後に、日陰で乾燥させて完成です。

私が作った真綿。なかなか上手く作れず、穴が空いたり寄ったりしてしまいました

真綿の方は強度と光沢がある生糸とは異なり、ふんわりとした優しさがありました。
同じ繭でも、取り方により、全く違う装いや用途になるのだと思いました。

 

ワークショップを終えて

2回のワークショップを通して、蚕について初めて知ることや体験することばかりで、とても学びの多い時間となりました。
また、人のために役に立ってくれている蚕に愛着と興味が出てきました。
蚕と人との関係は6000年も前に中国から始まり、日本でも産業だけでなく、生活や文化、信仰にも深く関わってきたそうです。今回学んだことをきっかけに、蚕や絹についてさらに理解を深めていきたいと思います。
水戸芸術館で開催されている展覧会「竹村 京 うごくせかい」では、絹糸を用いた作品のほか、蚕が桑の葉を食む音を取り入れた音響作品なども展示されています。蚕を「芸術」という視点からも楽しめる展覧会ですので、ぜひ足を運んでみてください。

水戸芸術館「竹村 京 うごくせかい」

竹村京(1975年―)は、時間の流れや人・物の移動、天変地異、偶然の出来事など、さまざまな要因によって揺らぐ世界のなかで、「縫う」という行為によって対象に新たな光を与える作品を制作してきました。
過去最大規模の個展となる本展では、2000年代の代表作を起点に、「修復」を施した作品群や、「天災」と「修復」を主題とした新作インスタレーション、水戸の街なかで参加者が「修復」の意味を考え、実践するワークショップなど、その多彩な創作から、記憶と喪失、時間や行為における不可逆性といったテーマへと迫ります。

 

会場:水戸芸術館現代美術ギャラリーほか
開催日:2026年7月25日(土)~10月12日(月・祝) 10:00〜18:00(入場は17:30まで)
開催時間:10:00〜18:00(入場は17:30まで)
休館日:月曜日(ただし9月21日、10月12日は開館)

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