水戸芸術館の蚕のワークショップに参加しました vol.1
こんにちは。スタッフ雨谷です。
現在、鈴木ハーブ研究所では化粧品の原料として蚕の繭に着目しています。
「蚕の繭を化粧品に」というと少し意外に感じる方もいらっしゃるかもしれません。
実は、蚕の繭は天然タンパク質が豊富で人間の肌に成分が近く、更に保湿性も高いため、化粧品に非常に向いている原料なのです。
また同じく繭の糸を使用した絹糸は、1900年頃の日本では最大の輸出品で、なんと世界の生糸生産量の約7割を日本が占めていました。当時、絹糸は日本経済を支える重要な産業だったのです。それが今は、化学繊維の発達や生産者の減少により絹生産量は最盛期の約1割程度まで減少しています。
私自身、「昔はもっと蚕が身近だったはずなのに、蚕のことをよく知らないな・・・」と思っていたところ、茨城県の水戸芸術館で、絹糸を使用した作品を創作している展覧会「竹村 京 うごくせかい」の連動ワークショップ『蚕を育ててみよう』を知り、見学に行ってきました。
『蚕を育ててみよう』ワークショップ
今回のワークショップは全2回開催されました。
vol.1「まちの桑で蚕を育ててみよう」
vol.2「繭から糸をとってみよう」
参加者は、1回目に蚕を配られ自宅で約1か月育てます。そして2回目に、自分が育てた蚕の繭から実際に糸を取るという、とても貴重な体験ができる内容です。
まずは蚕について学びます
第1回目のワークショップでは、まず、水戸芸術館中川さんから、蚕の説明と育て方を教えていただきました。
蚕は1か月半という短い一生のうちに、卵→幼虫→蛹→成虫と姿を変えます。その中でも一番特徴的なのは繭をつくり、その中で蛹になることです。

引用:「カイコからのおくりもの」一般財団法人大日本蚕糸会
この日、参加者に配られたのは2齢の小さな蚕でした。サイズ的には1cmくらいですが、5齢になると6-8cmくらいまでに成長するそうです。

蚕を育てる際の注意事項も、水戸芸術館スタッフ中川さんから教えていただきました。
・室温の温度は25度くらいに
・直射日光は避ける
・毎朝、お部屋の掃除をして排泄物を捨てること
・小さいうちは桑の葉を食べやすいよう切って与える
など。
街なかで桑の葉探し
次は外に出て、桑の葉探しです。桑の葉は分かりやすい特徴があまり無く、他の葉と見分けがつきづらく感じました。しかも、水戸芸術館は市の中心街にあります。そんな街中にも桑の葉は生えているのでしょうか・・・。

桑の葉探しに出発
ところが、水戸芸術館スタッフ中川さんは、歩き始めて5分もたたないうちに「あれも桑の葉ですね。」「これも桑の葉です」と次々と見つけていきます。私も意識して探していると少しずつ分かるようになってきました。葉は大き目で触ると表面に少しざらつきがあり、柔らかいです。今まで気づいていませんでしたが、道端の草むらや植え込みなどにも桑の木が意外とたくさん生えていることに驚きました。

桑の葉
蚕が繭をつくるときお部屋づくり
ワークショップ室に戻ったら、今度は、繭づくりのためのお部屋作りです。厚紙を組み立てて、小さなお部屋をたくさん作ります。蚕は1部屋に1匹ずつ繭を作ります。また蚕は上に登る習性があるため、上のお部屋から埋まっていくそうです。

繭づくりのためのお部屋
ここから参加者は1か月間、それぞれの自宅で蚕を育てます。
無事蚕が育ってくれるのか、きれいな繭を作ってくれるのか、次回2回目のワークショップが楽しみです。
水戸芸術館「竹村 京 うごくせかい」
竹村京(1975年―)は、時間の流れや人・物の移動、天変地異、偶然の出来事など、さまざまな要因によって揺らぐ世界のなかで、「縫う」という行為によって対象に新たな光を与える作品を制作してきました。
過去最大規模の個展となる本展では、2000年代の代表作を起点に、「修復」を施した作品群や、「天災」と「修復」を主題とした新作インスタレーション、水戸の街なかで参加者が「修復」の意味を考え、実践するワークショップなど、その多彩な創作から、記憶と喪失、時間や行為における不可逆性といったテーマへと迫ります。
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリーほか
開催日:2026年7月25日(土)~10月12日(月・祝) 10:00〜18:00(入場は17:30まで)
開催時間:10:00〜18:00(入場は17:30まで)
休館日:月曜日(ただし9月21日、10月12日は開館)