ニュージーランド伝統のハーブ、抗菌力抜群の『マヌカ』

今年はこのブログで世界各地のハーブをピックアップして紹介しています。

今回のマヌカは南半球のニュージーランドの植物です。ネズモドキ属(ギョリュウバイ属、レプトスペルムム属)の常緑低木で、学名はLeptospermum scoparium 。ギリシャ語の「leptos(薄い)」と「sperma(種子)」が語源で、種子が細長いことに由来するそうです。別名「ニュージーランドティートリー」とも呼ばれ、原産地はニュージーランド及びオーストラリア東海岸です。

ハーブガーデンのマヌカ

ハーブガーデンのマヌカ

ハーブガーデンのマヌカ

同じフトモモ科で近縁種とされているティートリーとは別属の植物です。ティートリーは葉が柔らかくしなやかで小さなブラシのような白い花を春先につけますが、マヌカは春先に梅に似た薄いピンクの小さな花を咲かせ、葉は小さく硬い形状をしています。日本ではギョリュウバイとして知られています。

ティートゥリー

同じフトモモ科で別属のティートゥリー

マヌカの葉

マヌカの葉

マヌカの花

マヌカの花

古くはニュージーランド先住民マオリ族が葉や枝を煎じて癒しや病気の治療、切り傷や外傷の治療に利用してきた歴史があります。抗菌作用があり蜜源植物でもあります。この花からとれるハチミツは「マヌカハニー」とよばれ、強力な抗菌効果のある蜂蜜として大切にされてきました。2015年頃から日本でも輸入量や輸入額を伸ばし人気になっています。

マヌカの楽しみ方

マヌカハニーを楽しむ

マヌカハニーは抗菌効果や栄養価が高いハチミツです。今年は酷暑の夏でしたが、そろそろ秋に入っていきます。冷房で体を冷やしてしまっていると秋になって体調不良が出やすくなります。栄養補給と抗菌効果を期待して、マヌカハニーを取り入れてみてはいかがでしょうか?1日にティースプーン1杯を夜寝る前や朝一番に食べると良いと言われています。

マヌカハニー

マヌカハニーに英語表記されている単語の意味を紹介します。それぞれ数値が高いほど抗菌力が大きいとされています。

・UMF:ユニークマヌカファクターの略で、マヌカハニーの殺菌・消毒効果を消毒液のフェノール溶液と比較した数値で表しています。

・MGO:天然の化合物、抗菌成分メチルグリオキサールのことで、マヌカハニー1Kgあたり、メチルグリオキサールがどれくらい含まれているのかを表しています。

・MGS:モーランゴールドスタンダードを略したもので、マヌカハニーに含まれるメチルグリオキサールの量、純度、質を表している。UMFよりもさらに信頼のできる指標となります。

※楽しむ際の注意
マヌカハニーを食す際に用いるスプーンは金属製のものは避けましょう。成分であるメチルグリオキサールが金属に反応してしまうので、プラスチックや木のスプーンを用いるようにしましょう。
また、ボツリヌス菌の影響を受けないように他のハチミツ同様、生後1歳までの乳児には摂取させるのは避けましょう。

マヌカティー

マヌカティー

なかなかマヌカを庭木として取り入れている人は珍しいと思うのですが、もし手に入る場合はマヌカの枝葉をハーブティーとして利用することができます。枝も葉も少し硬いので細かくカットして5〜15分煎じて飲むと成分が抽出できます。初めは大さじ1程度のハーブをティーポットに入れて熱湯を注ぎ3分ほど蒸らして薄めのハーブティーとして楽しんでみましょう。穏やかな風味と少し甘く感じる口当たりがして美味しくいただけます。手持ちのハチミツやマヌカハニーを少し入れてみても美味しくいただけます。

参考文献・URL

「ハーブのすべてがわかる事典」ナツメ社
日本マヌカハニー協会 http://j-manukahaney.jp

ブログ著

鈴木さちよ

ブログ監修

管理栄養士 坂本禮子

インスタグラムでもハーブ、庭作り、身近な植物などについて発信しています

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ハーブ事典でもこのハーブをご紹介しています

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