芳しい香りが体に効く『サンショウ』

サンショウ(山椒)は、ユズ(柚子)とならぶ日本の二大香辛料のひとつです。

「椒」の文字は「芳しい」という意味があり、その昔は皇后の部屋の壁に塗り込められたという言い伝えがあり、皇后の部屋を「椒房」と呼ぶこともあるそうです。また、サンショウは、小さな実をたくさん付けることから子孫繁栄に繋がるともいわれ、庭植えなどもされ古い時代より親しまれてきました。

▲サンショウの葉

サンショウといえばまず思い出すのが、鰻丼や鰻の蒲焼きにふりかける粉山椒。そして、若葉を「木の芽」としてお吸い物や煮物などに利用する添え物です。小さな若葉はてのひらに乗せ、反対の手でパンとたたくようにすると香りが立ちやすくなります。

その他にも若い実を漬物や佃煮、七味唐辛子などにも利用します。幹はすりこぎの棒に、実はぬかみその腐敗防止などにも利用されます。

▲サンショウの若い実

サンショウの作用は、健胃、利尿、駆虫、殺菌、抗菌、更新菌、消化促進、抗酸化、血行促進、局所麻痺、鎮咳などがあげられます。食欲不振、消化不振、胃炎などの胃の不調、むくみ、咳、腹部の冷え、腹痛、神経痛、肩こりなどに利用します。サンショウの香りは脳を刺激して内臓の働きを活発にするとされ、料理を食べることでも効果が期待できるといわれています。

▲実のはぜたところ

私たちのハーブガーデンにもサンショウの木がありますが、大きくなったと思ったら枯れてしまったり、思わぬところから芽を出したり同じ場所に定着してくれなくて今年も見られるかどうかドキドキしています。新芽が出て可愛らしい花を見つけられるのを楽しみにしています。

サンショウの楽しみ方

 

サンショウ茶

8月下旬の熟す前のやや黄色く色づき始めた実を採取し、日干しにし、乾燥したら果皮と種子を分けて、果皮を粉に挽きます。粉を小さじ1/2量を頓服します。利尿には乾燥した種子15gを1日量とし、カップ3の水で7割程度になるまで煎じて3回に分けて服用します。

ちりめん山椒

<材料>

チリメンジャコ   100g

実サンショウ     30g

水(洗う用)    適量

お湯       1000ml

塩        小さじ1

水(さらす用 1〜3回分)適量

煮汁(料理酒 大さじ3、薄口しょうゆ 大さじ2、みりん 大さじ2、三温糖 大さじ1)

<作り方>

実サンショウは青い実を小枝から外し細かい茎を取り除きます。水を張ったボウルに入れ洗い、水切りをします。
お湯を沸騰させた鍋に塩小さじ1を入れ、中火で5分程柔らかくなるまで茹で、ざるに上げて湯切りをします。水を張ったボウルに湯切りをしたサンショウの実を入れ、1時間程さらしてからざるに上げて水気を切ります。辛みが取れるまで同様にあと2回同じ行程を繰り返し、キッチンペーパで水気を拭き取ります。別の鍋に煮汁の材料を入れ中火にかけ、ひと煮立ちさせます。ちりめんじゃこを入れ弱火で5分程煮詰めます。下処理をした先ほどのサンショウの実を鍋に入れ、弱火で3分程、煮汁が1/3量になるまで煮詰めます。火からおろし、粗熱をとり、器に盛り付けて完成です。

 

参考文献

「ハーブのわかる事典」ナツメ社

「日本のハーブ」東京堂出版 村上志緒編

「自分で採れる薬になる植物図鑑」柏書房

「家庭で使える薬用植物の大事典」家の光協会

ブログ著

鈴木さちよ

ブログ監修

管理栄養士 坂本禮子

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