ハーブの王様『バジル』
「ハーブの王様」とも呼ばれるバジル。
現代ではイタリアンの印象がありますが、実は原産地はインドで、古い歴史があります。
インドではバジルの植えられた場所は全て平和と敬愛との美徳の地となると信じられてきました。
イタリアへは紀元前300年代にアレキサンダー大王が東方遠征の際にヨーロッパに持ち帰り広まったとされています。
▲スイートバジル
甘く、そしてスッキリとしたバジルの香りは世界中の人々を魅了し、様々な国の料理に利用されるようになりました。
イタリア料理にはスイートバジルが利用されます。
スーパーなどで見かけるバジルはこの品種のものです。
水耕栽培のバジルよりも土で栽培したバジルはより香りが強く力強さを感じます。
プランターでも20度以上の温度があれば簡単に発芽しますので、是非ご自分で栽培にもチャレンジしてください。
▲ホーリーバジル
ヨーロッパではバジルは空気を清め、病気や虫を除けるとされ、窓辺にバジルの植木鉢を置いたり、客人に道中の安全を願って小さな鉢植えを贈ったりする習慣がありました。
バジルには、神経鎮静、アダプトゲン(心身の調節をとりストレスへの抵抗能力をあげる)、抗酸化、免疫賦活、消化促進、殺菌、気分を明るくするなどの作用があります。
コロナ渦の今、積極的に取り入れたいハーブの一種です。
バジルはトマトやチーズ、卵料理によく合います。
保存には葉を塩漬けにしたり、オリーブオイルを利用してジェノバソースをつくります。
バジルの種はミネラルや食物繊維の豊富なスーパーフードとしても注目が高く、水に入れてふやかしプチプチ食感を楽しむ飲み物やドレッシングとして利用します。
暑さやコロナでストレスの多い今年の夏はフレッシュなバジルを健康管理に利用してみてはいかがでしょうか。
バジルの楽しみ方
バジルティー
<材料>
バジルの生葉 2~3つまみ
熱湯 150cc~180cc
<作り方>
スイートバジルやホーリーバジルの葉を急須に入れ、熱湯を注ぎ、薄くお湯に色がついたらできあがり。
白湯の代わりに朝に飲むのもオススメです。
甘く爽やかな香りと味が口の中に広がります。頭がスッキリとしてさわやかな気分を誘います。
ガッパオライス
<材料>(2人分)
鶏挽肉 200 g
パプリカ 1個
玉ねぎ 1/2個
バジル 4枚
ニンニク 1片
豆板醤 小さじ1
【ナンプラー小さじ2、オイスターソース小さじ2、酒 大さじ1、砂糖 小さじ1】
サラダ油 大さじ3
卵 2個
飾り用バジル 適量
ご飯 適量
<作り方>
パプリカ、玉ねぎは縦に細く千切りにします。
ニンニクはみじん切りにし、【】内の調味料を混ぜ合わせておきます。
フライパンにサラダ油を引いて目玉焼きを作り、好みの硬さになったら取り出しておきます。
フライパンにニンニクと豆板醤を加えて炒め、香りが出てきたら鶏ひき肉を加え、次に野菜を加えて炒めます。
火が通ってきたら合わせておいた調味料を加えて、汁気がほぼなくなるまで炒めます。最後にちぎったバジルを加えてさっと炒めます。
ご飯と出来上がった具を盛り付けて上に目玉焼きを乗せたらできあがりです。
辛いのが苦手な方は豆板醤の量を加減してください。
バジルは手に入ればタイバジル(ガッパオ)で作るとより本格的ですが、スイートバジルでも大丈夫です。
パプリカは色違いやピーマンと合わせて仕上げると彩りがよく食欲を一層そそります。
参考文献
『ハーブのすべてがわかる事典』ジャパンハーブソサエティー(ナツメ社)
『オーガニックハーブ図鑑』ジェッカ・マクビカー(文化出版局)
ブログ著
鈴木さちよ
ブログ監修
管理栄養士 坂本禮子