万病に効くハーブ『ビワ』
ビワの原産国は中国で、日本には1500年ほど前に持ち込まれたと考えられています。昔から「ビワの木が庭に植えられていると、その家には病人が絶えない」といわれていました。
この言い伝えは「ビワは不吉な樹木」という意味ではなく、「ビワが万病に効く」と伝えられており、病人やその家族がビワの葉を求めて、あちこちからやって来たことからいわれたものです。
▲社内のハーブガーデンで採れたビワです。
ビワは、皮膚の湿疹、打ち身や関節のトラブル、咳止め、肩こり、腰痛、頭痛、神経痛、自律神経失調症、高血圧、心臓病、生活習慣病など利用範囲が多岐にわたります。
▲ハーブガーデンのビワの木。大きくなってしまって見上げるしか出来ません。
ビワの木は10m以下の常緑中低木なので、庭がある場合は植えてみても良いかもしれません。実がなるまでは7〜8年と少し時間がかかりますが、オレンジ色の甘い果実が実ったときの喜びはひとしおです。
社内にあるハーブガーデンでも昨年からやっと実を収穫できるようになりました。今年の夏はビワ酒を仕込んでみたいと思っています。
▲今の時期(12~2月くらい)は花が咲いています。
鎮咳、鎮吐、解熱などにビワの葉茶(枇杷葉)
乾燥させたビワの葉 20g
水 コップ3杯
収穫したビワの葉の裏側の毛を歯ブラシなどでよく洗い取り除いて、2~3日天日干しにし、乾燥させます。
ビワの葉を乾燥させたものを生薬名で枇杷葉(ビワヨウ)といいます。
枇杷葉20gをコップ3杯の水で半量になるまで煮詰め、数回に分けて飲用します。
鎮咳、鎮吐、解熱などに有効とされています。
▲ビワの葉の裏側
打ち身や捻挫にビワの葉湿布
乾燥させて刻んだビワの葉 30枚
焼酎(度数35度以上) 適量
煮沸消毒したガラス瓶 1つ
葉の裏側の毛をきれいな歯ブラシやたわしで取り除きながら水洗いした後、葉の水気をふき取ります。
1センチの幅に刻み、瓶に入れ焼酎で漬けます。
葉が焼酎から出てしまっているとカビが発生しやすくなるので、しっかりと焼酎に中身が浸かるようにしましょう。
1日1回瓶をゆすり、1週間〜1ヶ月ほどおくと、できあがりです。
酒を布に含ませて、打ち身や捻挫の時に幹部を冷湿布すると腫れを引かせて、痛みを和らげることができます。
小さな傷や火傷、湿疹や虫刺されにも効果的です。
参考文献
『家庭で使える薬用植物大事典』田中孝治著(家の光協会)
『病気と不調を自分で治す 家庭おくすり大事典』(主婦の友社)
『自分で採れる薬になる植物図鑑』(柏書房)
『ハーブのすべてがわかる事典』(ナツメ社)
薬膳薬酒(金園社)
ブログ著
鈴木さちよ