独特の風味が癖になるハーブ『コリアンダー』
葉の香りや種実の風味を生かしたハーブ
歴史は古く、エジプトのツタンカーメン王の墓からも発見され、紀元前1400年頃のサンスクリットの書物にも記載されているハーブです。歴史を経て中南米、アメリカ、メキシコ、ポルトガル、南仏、インド、中国、タイ、ベトナムなど世界の様々な地域で葉の香りや種実の風味を生かした料理に広く利用されています。
昨今、専門店が登場し、市販品でもラーメンやソース、ドレッシングなどが発売されて、パクチー(コリアンダー)ブームが日本にも到来しています。ちょうど9月は種をまくのに適した季節。栽培も含めて是非試してみませんか。
鈴木さちよ
ハーブ事典でもこのハーブを紹介しています
ハーブバターの作り方
<材料>
コリアンダーの葉 大さじ1
無塩バター 100g
1 ハーブは洗って水けをよくふき細かく刻みます。好みでニンニクのみじん切りを適量加え、一緒にしても美味です。
2 バターは柔らかく練っておきます。
3 1、2をよく混ぜ合わせ、容器にしっかりと詰め、ラップをします。
保存期間は冷蔵庫で3か月、冷凍で半年(冷凍用のポリ袋やラップに包むと便利)。 白身魚のムニエル、ラスク、じゃがバターなどに利用できます。
ミックスピクルスの作り方
<材料>
きゅうり 2本
パプリカ赤、黄 各半個
アスパラガス 2本
オクラ 5~6本
<漬け液>
酢・・・1カップ、水・・・2カップ、砂糖・・・小さじ1、塩・・・大さじ2、ニンニク(皮つきのまま)・・・2片、赤唐辛子・・・2本、ミックス粒こしょう・・・小さじ2、コリアンダーシード・・・小さじ1、ローリエ・・・2枚、塩適量
1 ほうろうまたはステンレスの鍋に漬け液用の材料を入れ、ひとに煮立ちさせ、冷ましておきます。
2 きゅうりはひと口大に切り、たっぷりの塩でもみ、しばらくおいてからざっと水洗いし、水けをよくきります。
3 パプリカ、アスパラガスはそれぞれ固めに塩ゆでします。オクラは塩もみして繊毛をとりさっとゆでます。ざるにあげて水けをきり、冷まします。
4 煮沸消毒した保存瓶に2と3を入れ、1の液を注いで漬けこみます。翌日から食べられます。
保存期間は冷蔵庫で2か月程度です。
9月のハーブ:コリアンダー
和名: コエンドロ
学名: Coriandrum sativum
別名: コエントロ、パクチー、チャイニーズパセリ、ダニヤー、クラントロ、シラントロ、コスイ、香菜(シャンツャイ)
原産地:インド(西アジア)、地中海沿岸、北アフリカ
分類:セリ科コエンドロ属
花言葉: 隠れた才能、隠れた長所、隠れた価値、隠れた美点
特徴:
草丈50~90㎝の一年草。全草に特有の芳香があり茎の下部に浅裂葉を上部に細かい切れ込みの葉をつけます。5~7月頃に白や淡いピンクの小さな花を咲かせ、7~8月頃褐色の皮でくるまれた種実をつけます。
利用:
葉を主とした全草に抗菌効果、消化促進、頭痛、消化不足、軽い麻酔作用があり、体内の毒素を排出するともいわれ、消化器系の諸症状に用いられています。種実には穏やかな鎮静作用があり偏頭痛を和らげたり、気分を落ち着けたり、咳止めなどに用います。種から蒸留された精油は香水やお香に用いたり、顔面神経痛や痙攣のマッサージオイルに加えたり疲労回復や強壮に利用します。
参考:
ハーブの写真図鑑/レスリーブレムネス著/日本ヴォーグ社
ハーブの図鑑/萩谷エリ子著/池田書店
オーガニック図鑑/ジェッカマクビカー著/文化出版局
新保存食レシピ180/谷島せい子著/主婦と生活社
世界で使われる256種ハーブ&スパイス事典/伊藤進吾、シャンカール・ノグチ監修/誠文堂新光社
スパイス&ハーブの便利帳/㈱スタジオタッククリエイティブ