腸を元気にするデコボコのお芋『キクイモ』
キクイモの学名はHelianthus tuberosus。属名のHelianthusはギリシャ語の太陽と花の合成語で「太陽の花のような」の意味。種小名のtuberosusはラテン語で「デコボコした、隆起(コブ)の多い」の意味です。
この植物は、北アメリカ東北部原産のヒマワリの仲間の植物です。花はヒマワリを小さくしたような姿で、食べられる部分は根の塊(塊茎かいけい)部分。北アメリカ原住民の貴重な食料だったといわれています。日本には江戸時代末期に飼料用作物として導入されました。近年は健康食材として注目され、栽培、加工されたものを見かけることも多くなりました。生で食べるとシャキシャキの食感で、加熱するとほくほくの食感が楽しめます。
キクイモの注目成分は豊富に含まれる難消化性の食物繊維であるイヌリンです。腸内の有害物質の排出を促すほか、善玉菌を増やし、急激な血糖値の上昇を抑え糖尿病を予防するといった効果が期待できます。イヌリンは水溶性のため、煮物などにした場合は汁ごと食べたい食材です。
キクイモは繁殖力が大きく広がりやすいので、栽培する場合は注意が必要です。庭や畑に植える場合は仕切りを入れたり、鉢ごと土に植えて育てるとよいでしょう。
収穫期は10月下旬、黄色い花が咲いたのが合図となります。芋は土をつけたまま新聞紙などで包み、冷蔵庫で保存します。長期保存したい場合は土に埋めておきましょう。春を迎えた芋は種芋になります。
キクイモの楽しみ方
サラダや漬物に
よく洗ってから皮付きのまま2mm程度にスライスし、10分ほど水にさらしてアク抜きをしてからサラダや和え物にしましょう。ぬか漬けや酢漬けなどでも美味しくいただけます。
乾燥して粉末に
キクイモは乾燥させて食べることもできます。乾燥させたキクイモを袋に入れて叩いてからすり鉢でさらに細かく粉末状にすれば、お茶やふりかけにしたり、料理やスープに加えたりして利用できます。
参考文献
「もっと体においしい野菜の便利帳」高橋書店
「ハーブ学名語源辞典」東京堂出版
「羅和辞典」研究社
ブログ著
鈴木さちよ
ブログ監修
管理栄養士 坂本禮子