めぐりを改善する『タマネギ』
タマネギの原産地は中央アジアといわれ、日本には江戸時代後期に伝わり、食用として栽培されるようになったのは明治時代といわれています。現在では食卓に欠かせない人気の野菜です。
食用とされるのは地下の球形の鱗茎部分で、特有の刺激臭があります。地上部はネギに似て、花茎を伸ばし先端に白い小花を球状に密集させてつけますが、花を咲かせてしまうと鱗茎部分が硬くなってしまうので花芽は成長する前につみとるとよいそうです。
▲タマネギの地上部
タマネギの成分の硫化アリルは、体を温めて新陳代謝を盛んにし、血行を促進します。熱のある時などには鱗茎を細かく刻んでおろしショウガを加え、しょうゆまたは味噌で調味して、熱いお湯でといて飲むとよいといわれています。また、寝る前に飲むと発汗を促し、解熱効果があり、料理に用いて常食すれば不眠や疲労、食欲不振にも効果的です。漢方では、体内の滞った気と血のめぐりを改善する作用があるので、頭痛やむくみや冷えによいとされています。
タマネギの楽しみ方
タマネギ茶
<材料>
タマネギの外皮 5〜10g
<作り方>
タマネギの外皮には利尿効果とともに毛細血管を丈夫にする働きがあるといわれています。食用にする鱗茎の薄茶色以外皮を洗って、煎じて、お茶のように引用すると高血圧や動脈硬化の予防に役立つとされています。煎じた汁をスープストックがわりに料理に利用してもよいでしょう。
タマネギのサラダ
タマネギの硫化アリルは水溶性で、加熱によって甘み成分に変化してしまうため、薬用として有効に摂取するなら生食が一番です。
<材料>
タマネギ適量
お好みのドレッシング(または鰹節と醤油)
(お好みで)トマト、アボカド、チーズなど
<作り方>
タマネギを薄切りにします。塩もみして水にさらすとクセが和らぎます。水にさらす時間は2〜3分程度にとどめましょう。
他の野菜と合わせてドレッシングをかけてサラダに。
タマネギだけでシンプルに、鰹節をかけて醤油をたらしさっぱりとした一品とするのもおすすめです。
※スライスしたものが辛い時は塩麹などをかけて少し置くと食べやすくなります。
※みじん切りにしてドレッシングやポン酢に混ぜたものをトマトなどにかけても美味しくいただけます。
参考文献
「自分で取れる薬になる植物図鑑」柏書房
「いつもの贖罪「漢方」効能&レシピ帖」つちや書店
ブログ著
鈴木さちよ
ブログ監修
管理栄養士 坂本禮子