霊力の宿る神聖な木『ツバキ(椿)』
木偏に春と書いて、ツバキ(椿)。
春早い時期でも艶やかな肉厚の葉を携え美しい花をつけるツバキは、古代より霊力の宿る神聖な木とされ、神社やお寺や史跡などに多く植えられてきました。
ここ茨城県の海岸沿いにある酒列磯前(さかつらいそさき)神社に見事なヤブツバキの参道を見ることができます。
先日久しぶりに酒列磯前神社を訪れてみると、いつもと変わらず荘厳な雰囲気の中、ツバキは思いおもいに枝葉を伸ばしていました。
枝先には赤い花がちらほらと見受けられ、春がそこまで来ていることを感じることができました。
▲鳥が啄んだ跡がありました。鳥にとってはツバキの花は食料源なんですね。
ツバキは成長が遅く、寿命が長い樹木で、木材としても様々に利用され、高級工芸品や最高級の木炭などに加工されます。
種子からは料理や美容に利用される良質の椿油が採れることでも知られています。
また、古来ツバキは薬用植物としても役立てられていました。
切り傷、擦り傷、おでき、虫さされなどに若葉をすりつぶした汁を塗り、椿油は整髪料や肌の手入れに用いられていました。
▲ツバキの葉
現在では海外や国内でも品種改良が進み様々な花色が見られるようになっています。
ツバキの楽しみ方
「山茶(サンチャ)」(ツバキのお茶)
開花直前のツバキの花や葉を陰干しし、乾燥させ細かく刻んで健康茶として飲用します。
滋養強壮に効果的として生薬としても親しまれたお茶です。
花は綺麗な生の花びらをフレッシュハーブティーとして楽しむことも可能です。
▲ツバキのフレッシュハーブティー
「ツバキ油」
種子から採れる油は高級油として料理や美容に利用されます。
滋養強壮、健胃、整腸、保湿、血行促進などの作用を有し、便秘や冷え性、皮膚の炎症の症状改善などに利用されます。
参考文献
「日本のハーブ事典」村上志緒編 東京堂出版
「ハーブのわかる事典」ナツメ社
ブログ著
鈴木さちよ
ブログ監修
管理栄養士 坂本禮子