おせち料理に登場する縁起の良いハーブ『レンコン』
今年もいよいよ12月となりました。新元号「令和」となり新しい時代となりましたが、皆様にとってどのような年になりましたか?
来年の吉報に願いを込めてレンコンを紹介します。
レンコンは、穴が開いたその姿から、先を見通すことができるようにと祈願する、縁起の良い食材としておせち料理にも登場します。
植物としてはハス(蓮)、野菜(食用)としてはレンコン(蓮根)としてご存知のかたも多いと思います。
ハスとしては歴史が古く古代エジプトでも生命や生産のシンボルとして愛されていました。
日本へはインド、中国を経て伝わったとされています。記述としては古く『古事記』にも登場します。
▲茨城県土浦市のハス田
レンコンとしては鎌倉時代以降に中国から伝わり、723年の『常陸国風土記』に食用としていた記録があります。
現在、日本一レンコンが生産されているのは昔常陸国と呼ばれた茨城県です。収穫期は晩秋から冬にかけて最盛期となります。
▲レンコンと鶏肉の煮込み
レンコンには抗酸化作用、殺菌作用、止血作用、鎮静作用、滋養強壮作用、アレルギー抑制作用など多くの効能があり、胃や消化器の粘膜を保護・補修し、気持ちを穏やかにしてくれると言われています。また、咳や痰を止め、肌荒れを防ぎ、疲労回復、腸内環境を整え、便秘改善、下痢止め、高血圧、あらゆる血のトラブルや婦人病などにも効果的とされています。
花粉症などアレルギーの抑制を目的のために利用する場合は3ヶ月以上毎日25〜30g(1〜2切れ)を食するとよいとされています。
煮込み、酢漬け、キンピラ、素揚げなど料理法によって様々な食感で楽しめるレンコンを食養生にとりいれてみてはいかがでしょうか。
むくみとり、二日酔いにレンコンのすりおろし汁
<材料>
レンコン 適量
<作り方>
生のレンコンの皮や節をよく洗い、すりおろしましょう。すりおろした汁をしぼり、そのままでも良いのですが、お好みでしょうがのおろし汁や黒砂糖を加えて湯をそそいで飲みます。
<効能>
風邪や咳止め、鼻血、むくみとり、二日酔いなど。
咳や痰にレンコン茶
<材料>
レンコン 適量
<作り方>
レンコンを細切りにし、濃く煎じて濾します。
<効能>
飲用:咳や痰
患部に煎じ汁を冷ましたものを塗る:肌荒れ(軽い火傷や湿疹、あせも、かぶれ、切傷)
参考図書
『野菜は薬だ』岩尾裕之、小林正夫 共著 社団法人農山漁村文化協会
『からだに効く和の薬膳便利帳』武鈴子著 家の光協会
『日本のハーブ事典』村上志緒編 東京堂出版
『免疫力を上げて一生健康』順天堂大学名誉教授 奥村康監修 株)宝島社
『ハーブのわかる事典』ジャパンハーブドサイティー
『食品図鑑』女子栄養大出版部
『料理事典』朝日出版
著
鈴木さちよ
監修
管理栄養士 坂本禮子