ハーブガーデン作業日記
*2025年9月編*
スタッフ家田です。9月に入りガーデン作業が再開されました。二十四節気では「処暑」を過ぎ、「白露」、「秋分」と秋の深まりを思わせる言葉が並びますが、暦の通りには暑さは収まりません。ガーデンの植物たちをみていると、夏の暑さと乾燥で弱ったり枯れてしまったものもありますが、酷暑に耐え抜き少し元気を盛り返してきたもの、日が短くなるのを感じてか秋らしい花や実をつけるものもあり、(気温は高く数年前までとはちがうけれど)やっぱり秋になったのだと感じました。
9月3日(水)
最高気温24℃、晴れ
今日は、藍の生葉染めの日。少し前から材料を揃えて、布の下処理(植物性の布は色が定着しにくいので、豆乳に浸して布にタンパク質を吸着させる処理)をして準備をしていました。

木綿の下処理(豆乳に浸します)
染色に使う藍は鮮度が大切なので、道具類をセットしてから収穫へ。思ったほど繁茂していなかったのですが、収穫してみると、少しの布なら染められそうな量は確保できました。あとは、大量に茂ったシソ(赤じそと青じそ、えごまが交雑したもの?)と、紫に色付いたエルダーフラワーの実(エルダーベリー)も収穫。
藍は、洗って茎から葉を外し、ミキサーで繊維を壊したあとネットで濾して、ビニール袋の中で下処理した布と毛糸を浸してもみこみ、放置約40分。

酸素に触れないよう藍の染液をもみこむ
インディカンが酵素反応で分解したインドキシルを吸着させた後、染色液から出して空気にさらしました。ここで、「やっぱり緑だー💦」となったのですが、その後水洗いすると、淡い水色に変わりました。昨年は緑色だったので、今年は「これぞ藍の生葉染め」という水色になって、うれしく思いました!もう少し藍の量が多かったり、二度染め、三度染めと繰り返せばもう少し濃くなるかもしれません。
シソの葉はぬるま湯に少量の酢をたらした液に浸して染色液をつくり布を浸しました。エルダーベリーは実をつぶした後少し煮出して染液とし、布を浸した後、後媒染(アルミ、銅、鉄)して色の違いを楽しみました。

エルダーベリー染め
準備はしていたものの、木の実染めやシソの葉染めは初めてで、本を見ながら悪戦苦闘。何度かやって要領をつかみたいと思いました。ちゃんと手順をこなすには藍染とは別の日にすべきかもしれません。それはさておき、藍の生葉染めが成功して嬉しく思いました!来年は春に藍の種をまいてもっと増やしてのぞみたいと思います。
9月9日(火)
最高気温30℃、晴れ
先週からガーデン作業が再開し、猛暑日を避けながらスタッフが通い始めました。私は今日が本格的な庭作業の再開。どこから手をつけてよいのかわからないほど、夏の間に成長した草たちが元気なハーブガーデンです。

サマーポインセチア
今日から根菜類や葉菜類の種をまき始めるぞ!と思ったのですが、種をまいたトレイを並べる箇所も草が伸び放題で、まずその除草から始めなければなりませんでした。メヒシバ、ヤブガラシなど「いかにも雑草な草」にまじって、シソやバーベナ、サマーポインセチア、ビロードモウズイカなども繁茂して、何も植えていないはずの地面が覆われていました。そこで、(個人的に)どこかに生えていないかな、と思っていた「タカサブロウ」(もしかしたらアメリカタカサブロウ)に出会えました!どちらかというと湿り気のある畑や田んぼに生える雑草なのだそうですが、アーユルヴェーダでは若返りのハーブとされ、なかでも頭皮に非常に良いのだとか。これでチンキを作ってみたいです。

毛髪や頭皮によいとされるハーブ、タカサブロウを発見!
収穫のエリアは、昨年同様(自然生えの)シソが占拠している箇所が多いです。ハーブガーデンでは何種類かのシソが生えていますが、表が緑で裏が赤紫でややハリ感のある葉のシソが一番生育旺盛です。おそらく赤紫蘇、青じそ(大葉)、エゴマの全部あるいは一部が交雑した種と思われます。中には中央部の茎がまるで木の幹のように太く硬くなっているものもあり、驚かされます。一つの個体がとても大きいのです。今日は一本の畝のシソを抜くので精一杯でした。

シソの茎がこんなに太く
スティックブロッコリー(紫セニョーラ)と花心白菜の種をトレイにまいて、虫にやられないよう不織布で覆いました。最近は、発芽後に順調に生育するよう、下層部に野菜用の土を、上層に種まき用の土を入れてまくようにしています。
9月16日(火)
最高気温32℃、晴れ
もう9月も半ばなのに、この暑さです。たえず汗が流れて蚊がブンブン近寄ってきました。ガーデン中草が伸び放題なのですが、タカサブロウに加えて、イノコヅチという草を知りました。根が漢方の生薬として使われる薬草のようです。 今日特に目についたのは場所を選ばず繁茂して、場所によってはすごく大きくなってしまっている、クワクサ。「雑草」を刈ってしまうまえに、その植物について知ることは大切かもしれません。

イノコヅチ

ガーデンのいたるところに生えたクワクサ
いよいよ根菜類(特にダイコン)の種まきのリミットといわれる頃なので(もう遅いかもしれませんが)、今日ちょうど種が届いてよかったです!といっても暑い時期が長引いているので、リミットも後ろにずれているのでしょうか?はたまた・・・
収穫のエリアの、耕起、不耕起両方の畝に、ニンジンとダイコンを直播しました。ニンジンとダイコンを混植すると、お互いに害虫がつきにくくなるようです。また、セルトレイやバットに、ケール、パクチョイ、コールラビの種をまきました。

ダイコンとニンジンの種まき
ワイワイハーブサークルの草を刈ってこちらも、アブラナ科を中心に葉菜類と、ニンジン、ダイコンの種をまきました。今年の夏も、夏野菜の出来はよくありませんでした。ナスもピーマンも大きくならず、実もほとんどつけずでした。唯一エダマメとエビスグサは元気そうです。
協生農法は無施肥が基本ですが、収穫のエリアに植えたナスやピーマンは実をつけているところからすると、やはり肥料をやりたくなってしまいます。収穫があまりに少ないと残念なので、対策を考えたいと思います。

ワイワイハーブサークルにはいろいろな種をミックスしてまきました
それにしても、来週こそは涼しくなるでしょうか。涼しくなってほしいと願わずにいられません。
9月24日(水)
最高気温25℃、晴れ
今週に入ってからぐっと気温が下がり、最高気温が30℃いかないようになりました。朝晩も涼しく、起きた時に嬉しくなります。外で作業をしていても気持ちが良いです。汗の流れ方がちがいます。
Sさんにミョウガの出ている場所を教えてもらい、掘り取りしました。こんなふうに元の茎とつながっているのだ、ということがよくわかりました。立派な香りのよいミョウガです。

ミョウガ
ダイコンとニンジンが揃って発芽しています(耕起エリア、不耕起エリア、ワイワイハーブサークルともに)。種まき後、毎日来られない私に代わってSさんが毎日水をかけてくださったお蔭と思います。混みあっているところを今日は間引きました。間引いた芽はつまみ菜としてありがたくいただくことにしました。

ダイコンとニンジンの発芽
旺盛なゲンノショウコを収穫し、洗って干しました。飲用(お茶)にするので、なるべく花が咲いてきれいな部分を選りすぐって収穫し、枯れた葉や変色した部分などは取り除いたり、水洗いしたりするので、思ったよりは手間がかかるのですが、こんなに繁殖していて、しかも薬効が高いといわれるものなので利用しない手はありません。

ゲンノショウコ(白花)収穫
本日の種まきは、サラダゴボウ、ラディッシュ、花心白菜やケールの追いまきで時間切れとなりました。かなり混みあって発芽してしまったパクチョイの間引きに時間がとられました。種のまきすぎも注意です。

パクチョイの発芽(間引きが大変でした)
ヒガンバナが薬草・薬木エリアの奥の日陰の方で咲いていました。オオミサンザシが真っ赤に色づいています。メキシカンブッシュセージが紫の花をつけはじめています。すっかり秋ですね。

ヒガンバナ

オオミサンザシ