過酷な環境を生き抜く“不老長寿のお茶”『ルイボス』

ルイボスは学名がAspalathus Iinearis 、マメ科の植物です。南アフリカ共和国原産のハーブで、喜望峰に近いシェダーパーク山脈の山麓にしか生息していないことで知られています。ルイボスの名前の由来は“Redbush(赤い灌木)”にあり、名前の通り赤褐色の針状の葉を持っています。地下深くに鉱脈が走る場所に自生するルイボスは、身の丈の3倍以上もの深さに根を張り、地中の水と鉄、亜鉛、セレンなどのミネラルを吸収して育ちます。過酷な環境下で生き抜くルイボスの生命力、その力が高い抗酸化作用の源です。

ルイボス

ルイボス

南アフリカの先住民コサイン族の人々は「不老長寿のお茶」として古くから日常的にこのお茶を飲用してきた歴史があります。アフリカの過酷な環境下ではルイボスティーを栄養補給源とし、飢えをしのぐこともあったそうです。18世紀後半にスウェーデンの植物学者が欧米に紹介したことから、その飲みやすさも手伝って米国やドイツに急速に普及しました。現在でも若さを保つためのノンカフェインの健康茶として、単独で、またブレンドの材料として親しまれています。

日本へ入ってきたときには、体細胞を老化から守る活性酸素の除去機能が高いことで話題になりました。現在では冷え性や便秘、活力不足や花粉症やアレルギーなどの諸症状を改善する目的でも服用されています。こうした働きのメカニズムはまだ完全には解明されていませんが、アスパラチン、ルテオリンなどのフラボノイド類が関与していると思われ、アレルギーに対してはリポキシゲナーゼ阻害作用が報告されています。(リポキシゲナーゼとは動脈硬化、虚血再灌流障害、がん転移などの病態の誘導あるいは進展に重要な役割をする酵素群です。)

ルイボスティーづくりはワインづくりにも似ています、細い緑の葉を細かくカットし、水をかけ、アフリカの灼熱の太陽の下、マホガニーレッドになるように発酵させます。その後、湿った茶葉をゆっくりと大地の上で乾かします。

ルイボスの楽しみ方

ルイボスティー

<材料>
ルイボスの茶葉  ティースプーン山盛り1杯(2〜3g)
熱湯                   150ml

ルイボスの茶葉

ルイボスの茶葉

<作り方>
ルイボスティーの茶葉を山盛り1杯に熱湯を注ぎ、蓋をして5〜10分間抽出したものを1日3回服用します。特にクセがなく風味があり、ほんのり甘く飲みやすい味です。ブレンドにも向くので好みや効能に合わせて他のハーブティーと合わせてお楽しみください。

ルイボスティー

手前:ルイボスティー、奥:「はれやか」ハーブティー(ルイボスのほかにローズヒップやハイビスカス等がブレンドされ程よい酸味の中にルイボスの香ばしさを感じます)

ルイボスティー

入浴剤

ルイボスティーの茶葉を利用して煮出した煎液とともに入浴剤にすることができます。
取り扱いがしやすいように出汁パックなどに入れると良いでしょう。ルイボスのマイルドな香りとほのかな色合いを楽しめます。

 

参考文献

「メディカルハーブの事典」東京堂出版
「植物のチカラで心と体を健康に!ハーブティー事典」池田書店
「薬用植物辞典」NTS

ブログ著

鈴木さちよ

ブログ監修

管理栄養士 坂本禮子

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