明るい黄色が気分を上げる『ミモザ』
3月8日は「国際女性デー(International Women’s Day)」に制定されています。「女性の社会進出」「女性活躍」という言葉が聞かれるようになり久しいですが、この日は世界各地で女性の権利やジェンダー平等に焦点が当てられ、様々なイベントが行われています。イタリアでは「ミモザの日」として有名で、女性に感謝を込めてミモザを贈る風習があります。このことから、ミモザは国際女性デーのシンボルフラワーとなり、国内でも花を通して女性の活動や心豊かな暮らしを応援しようと「幸せの黄色い花」を贈るキャンペーンなどが行われるようになりました。

ミモザ。青い空によく映えます。
ミモザの花はとても小さな房状のふわふわとした姿で鮮やかな明るい黄色の花をつけ、ほのかなやさしい香りを放ちます。近づいてみるとそのひとつひとつが繊細で美しく愛らしい存在です。鈴木ハーブ研究所のハーブガーデンのミモザは年明けから徐々に蕾が色づいてきて、3月には遠くからも目に留まる明るい黄色となり、そばを通るだけで春の到来を感じ心を明るくしてくれます。

ミモザの花。一つ一つの花が丸くてフワフワで愛らしい。

鈴木ハーブ研究所ハーブガーデンのミモザ
ミモザはマメ科アカシア属の常緑性高木です。オーストラリア南東部タスマニア原産で、水はけの良い土壌で自生します。学名はAcacia dealbata、別名アカシア、ミモザアカシア、ワトルと呼ばれます。花には多糖類やフラボノイド、フェノール酸、β-カロテンなどが含まれており、抽出されたエキスには抗酸化作用、毛穴の引き締めや殺菌作用、糖類やタンパク質による肌の保湿・毛髪の被覆保護作用等が報告されています。茹でた若葉、若枝、種子は食用になります。南アフリカでは、樹皮からタンニンとゴム性物質を採るために栽培されています。
アカシア属には多くの種が存在し、香水に用いるミモザの精油は同属の別の種(A.farne-siana、A.baileyana)の花から蒸留され、甘い香りを持ちます。また、同属のアラビアゴムノキ(A.senegal)は、アラビアゴムの主原料となるほか、キャンディー、インク、捺染にも使われています。さらに、同族のコックスパー(A.cornigera)のとげは喘息を治し、根は蛇の咬み傷の毒のまわりを遅らせ、樹皮は皮膚病に用いられるなど、様々な用途で利用されています。
ミモザは国内では南関東以南では地植えで栽培できますが、寒さに強くないため東北地方以北では冬に葉が傷んで枯れてしまいます。樹皮は収斂などに用い、花は観賞用や香料に、また乾燥させポプリに利用します。
ミモザの楽しみ方
ミモザの花をプレゼント
黄色は春を象徴する色とされています。ミモザの花言葉は「友情」「秘密の恋」「感謝」。この時期にしか咲かないミモザの花の花束やミモザ柄の品物を自分自身や大切な友人にプレゼントしてみるのも素敵です。目に入るところにミモザを飾って気分を上げましょう。

ミモザの花を飾りましょう
ミモザのポプリ
花が咲き始めたばかりの枝を収穫し、風通しの良い場所に吊るして乾燥させドライフラワーにします。他の素材とともにポプリを作り広口の器に飾り玄関などに飾りましょう。
ミモザの香りはミドルノート、フローラルな香りです。アロマオイルもありますが、アブソリュート(溶剤抽出)のものは香りが強いのでほんの少しで長時間香ります。バラやジャスミン、ラベンダーなどの香りとも相性がよく、形が何より可愛らしいのでインテリアとしてもオススメです。ポプリは何種類かの素材を混ぜ合わせて瓶などに入れて2週間ほど置くと香りが熟成されてまとまります。その後にディスプレイするとよいでしょう。

ミモザと他のドライハーブを合わせてポプリに
参考文献
「ハーブの写真図鑑」日本ヴォーグ社
「木の写真図鑑」日本ヴォーグ社
「香りの植物100」西尾剛著 誠文堂新光社
「薬用植物辞典」NTS薬用植物辞典編集委員会・編
株式会社樋口商会, Cosmetic-Info.jp “ミモザアカシア花エキス”,
https://www.cosmetic-info.jp/mate/detail.php?id=19360,(2025年2月27日閲覧)
HAPPY WOMAN®︎, 国際女性デー|HAPPY WOMAN FESTA,
https://happywoman.online/event/hwf/,(2025年2月27日閲覧)
PR TIMES, 3月8日「国際女性デー」を“花”で応援「幸せの黄色い花」を通じて花業界も啓発に貢献 HAPPY WOMAN®と花の国日本協議会が連携 女性の幸せを願うスペシャルWEEKに!,
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000018.000054763.html,(2025年27日閲覧)
ブログ著
鈴木さちよ
ブログ監修
管理栄養士 坂本禮子