ハーブガーデン作業日記
*2025年11月編*

スタッフ家田です。11月に入ってお庭はだいぶ、彩り・緑量ともに少なく寂しい感じにはなってきました。地上部が枯れたものは順次切っているのでスッキリしてきたともいえます。今月はたくさんの収穫作業があり、また春に向けての種まきや植え付けなどの作業もありました。

11月6日(木)

最高気温20℃、曇り

今秋のハーブガーデンではクルミが豊作です!SさんとTさんが毎日せっせと落ちたクルミを集めてくれて、かごいっぱいになりました。おかげさまで会社スタッフみんなでいただくことができました。生のままいただきましたが、香ばしくおいしいクルミでした。

クルミ

クルミがたくさんとれました

Sさんからモグラが庭中に穴を作っているとの報告がありました。見回ってみると、園路の横や芝生などいたるところにモグラが作った穴がありました。何匹もいるのか、一匹なのか。モグラ穴に燻炭を入れて対策。Sさんの自宅ではその効果抜群でモグラが来なくなったとのことですので期待大です。

モグラの穴

モグラの穴(写真中央部)

Aさんが米を作られているご実家から2袋ほどカットした稲藁を持ってきてくれました。今日はそれでベニバナにマルチングして防寒対策としました。去年はこのおかげで冬を越せたのです。

ヤマブドウのつるでリースの土台を作りました。つるが乾燥しないうちでないと加工できないので、刈り取りとリースづくりはセットです。飾り付けの要となる赤い実たちは、モチノキ、カラスウリ、マンリョウなどが候補なのですが、マンリョウはまだ完全に赤くなっていないのでもう少し待つ必要がありそうです。

ヤマブドウ。実の方も貴重でジュースなどに加工して利用できます。

赤い実たち

赤い実たち(モチノキ、カラスウリ)

パクチョイやコールラビの苗が育ってきたので、植えどきなのですが、そのためにはまず菜園エリアの残った夏野菜やマリーゴールドを片づけなければなりません。シソの残りやナス、ピーマン、そしてマリーゴールドを整理して畝を空けました。耕起エリアの方は耕して、(本当は植え付けの2週間以上前にやるべきことなのですが)牛糞堆肥、腐葉土、コーヒーかす肥料を入れました。根に触れないよう、畝の中央部を深く掘って埋めます。今日植え付けたのはコールラビ。不耕起エリアの方は、植穴を深めに堀り、植穴の底に堆肥や肥料を入れ、周りの土を入れてから苗を植え付けます。日当たり条件はほぼ同じところに植えたので、生育を比較したいと思います。

コールラビ

不耕起エリアへのコールラビの植え付け

暑い夏を元気に乗り越え順調に生育したキワーノを全部収穫。たくさんとれました!ガレージで追熟させます。

キワーノ

キワーノ収穫

キワーノを収穫

11月13日(木)

最高気温16℃、曇り

今朝の茨城新聞の記事に、「生物多様性の保全や環境改善に向け、茨城県は今後10年間の「行動計画」を策定した。2025年度から34年度までに保全区域を1割広げるほか、有機農産物の生産面積やイノシシ捕獲数を倍増させるなど、計14項目で目標値を定めた。民間事業者と連携し、県内の健全な生態系の保全やさまざまな生物が生息する環境の構築を目指す。」とありました。県など地方自治体の単位での生態系保全計画はよりよい地域の未来のために非常に重要だと感じます。

鈴木ハーブ研究所ハーブガーデンは様々な生き物の住処になっており、また珍しい鳥や虫なども訪れます。この庭の存在は生態系の保全に貢献していると自信をもっていえることは嬉しく感じます。

今日の私の一大仕事はエビスグサの収穫です。ですが、なんとしたことでしょう!一歩遅かったようなのです。たくさん実って大豊作!と思っていたのに、半分以上の莢(さや)は開いてしまって、中の種がツヤを失って白っぽく明らかに状態が悪くなってしまっています。白いのはカビのようにもみえます。熟して茶色くなったら収穫のタイミングはいつでも、と思っていたのですが、もっと早く収穫を始めるべきでした。仕方なく莢がすでに開いているものは処分、莢がまだ開いていないものだけを選んで収穫することにしました(莢を一つ一つみて残すものと処分するものに分けたのでかなり時間をとられました)。

植物にとって種子は子孫を残すために大切なもの。成長中は莢でしっかり守り、熟して発芽能力が十分に備わったら莢はその役割を終えるのだなあと感心してしまいました。そして、しっかり植物を観察して収穫時期を見極めることが大切だと学びました。来年は茶色くなった莢から順に収穫するようにしようと心に決めました。

収穫時期を過ぎたエビスグサの種

収穫時期を過ぎたエビスグサの種

収穫適期のエビスグサの種

収穫適期のエビスグサの種

今日はハトムギも合わせて収穫して(あまり育ちがよくないです)干しました。

パクチョイ

パクチョイの苗

元気に育ったパクチョイの苗を、Tさんが耕して肥料を入れてくれた畝と、不耕起のエリア、そしてワイワイハーブサークルに植え付けました。

Sさんは園路全体を掃き掃除したあと、中央部の流れの敷石の間の除草をしていました。Tさんは、アヤメのエリアに侵入したススキを除く作業。一度土を掘り返して根をみてススキとアヤメを分別し、アヤメだけを戻すという根気のいる作業です。
スタッフ3人とも黙々と根気のいる作業に取り組んだ一日でした。

ススキの根とアヤメの根

左側がアヤメ、右側がススキ。ススキはすべて取り除きました。

11月20 日(木)

最高気温14℃、曇りのち晴れ

今日は収穫DAY!ということで、サツマイモ、ジャガイモ、ヤーコン、キクイモ、そしてムベの収穫を行いました(さちよ社長、そして本社からSさんとTさんが助っ人で来てくれました)。 サツマイモは、最初の株は大きい芋がついていたのですが、あとはそうでもなく、収穫量は少なかったです。ジャガイモはまだ収穫するには早かったのでしょう、ほんの小粒でした。ヤーコンは花が咲き始めたところで、もうすこし待っても良かったのですが、人手の集まる時にということで、奥の方三分の一ほどを残してあとは掘りました。収量は多く、昨年よりも太いものが多かったです。ヤーコン葉は良いお茶になるのできれいなところを干しました。
キクイモは、思ったより深いところからゴロゴロ出てきました。

一番の楽しみはムベ。赤紫の美しい実がたくさんとれました。人生で初めて食べました。黒い種ごとゼリー状の果肉をすくって食べ、種を吐き出します。まろやかな甘みが口いっぱいに広がりとても美味しかったです。天武天皇のころから不老長寿の果物として食べられ、皇室にも献上されているとか。

ムベはまろやかかつ爽やかな甘み

ムベ。種ごとスプーンですくって果肉をいただきます。

トマトはもうじき霜で枯れてしまうので青い実も全部収穫してしまいました。植えるのが遅かったバタフライピーは3株ほど鉢上げして温室に。
キワーノのつるは切ってマルチに。そして、そのネットをそのまま利用することにしてスナップエンドウ(白花)の種をまきました。交配しないよう、紫エンドウは別の場所に次週種まきすることに。

11月26日(水)

最高気温17℃、晴れ

朝来ると、朝早いSさんは既に一時間ほどかけて園路を掃き終わったところでした。週に1回はきちんと掃いてきれいにしているそうです。園路に関しては、「落ちたばかりの落ち葉は風情があるけど、時間が経つと汚く見える」とのことで、その通りだなあと思いました。ほか、園路と植栽エリアの境界が土に埋もれて見えなくなっているところの土を除去して縁石がキレイにみえるようにしてくださっていました。植物の世話だけでなく、こういった作業も散策して気持ちの良いガーデンを維持するには大切なところだなあと改めて思いました。

秋のガーデン開放が24日に終わりました。自宅でガーデニングをされていたり、これからお庭を作るための参考にしたいという方が多かったようです。「素敵なお庭だから」と2度目はお友達を連れてきてくださった方も。

先週ヤーコンを掘り出したところの畝を、昨日耕して堆肥と肥料を入れて再度畝立てして下さったとのことですが、その畝から湯気が立ち昇るのが見えました。気温の低い季節だからこそ観察できる、「発酵」の現象…なんだか感動しました。

写真ではわかりにくいですが、昨日耕した畝から湯気が立ち昇っていましたl

先週の白花のスナップエンドウに引き続き、今週は別の畝に紫エンドウ(ツタンカーメンえんどう)の種まきをしました。発芽が楽しみです。


また、トレイで種まきしたカレンデュラの苗をあちこちに植え付けました。セルトレイが25マスだと、その分の種をまいて25株できてしまうのですが、どこに植えようかとあちこち見て回って(カレル・チャペックの『園芸家12カ月』に登場する園芸家のようですね)、地中海ハーブのエリア、収穫のエリア、ワイワイハーブサークルの空いているところにどうにか全部植え付けました。
最近手を入れてなかったワイワイハーブサークルのお世話をしました。キヌサヤ用の支柱(オベリスク風)を立てて種をまいて、草をとって、縁石と飛び石の土を払ってきれいにし、周囲の草取りもしました。冬の葉菜やブロッコリー、ダイコンなどはやはり収穫のエリアとくらべて小ぶりですが、昨年よりは少し育ちが良いような気がします。土壌の状態が良くなってきているようです。肥料や堆肥なしでどこまでの状態に持っていけるか、もうしばらく辛抱?しつつ見ていきたいと思います。

ワイワイハーブサークル、協生農法Ⓡ

ワイワイハーブサークル、協生農法Ⓡ

協生農法Ⓡのワイワイハーブサークル

Share